コーヒー豆知識
ベトナムコーヒーの特徴は?一般的なドリッパーを使った淹れ方を解説
コーヒー生産国として世界的に有名なベトナム。そんなベトナムから生まれた「ベトナムコーヒー」ですが、あまり馴染のない方も多いかと思います。
本記事では、ベトナムコーヒーの特徴や味はもちろん、ベトナムにおけるコーヒーの歴史などにも触れていきたいと思います。
ベトナムはどんな国?

ベトナム社会主義共和国は、東南アジアのインドシナ半島東部に位置し、細長い国土が特徴的な国です。
国土面積は約33万㎢あり、九州を除いた日本の面積とほぼ同じ大きさ。北は中国、西はラオスとカンボジア、東と南は南シナ海に面しています。南北に長い地理的特徴から、山地・平野・デルタ地帯・沿岸部など多様な地形を持っており、気候も北部・中部・南部で大きく異なります。
ベトナムでのコーヒー栽培は、主に高原・高地の両方を持つ中部地域で行われており、低地の高原地帯ではロブスタ種、高地ではアラビカ種が栽培されています。生産数としてはロブスタ種が大半であるものの、2大品種を両方栽培できる数少ない産地でもあります。
ベトナムのコーヒー生産量
ベトナムのコーヒー生産量は年間約188万千トンと、約356万トンを生産するブラジルに次ぐ、世界第2位の生産量となっています※。
ベトナムでのコーヒー栽培は、フランスの植民地時代にまで遡り、1850年頃から北部でスタートしました。しかし、ベトナム戦争の影響でそれまで築き上げていたコーヒー栽培は壊滅的な状態に陥ります。
戦後、しばらくの間は国が農地を管理していましたが、1986年のドイモイ政策によってコーヒー生産に企業が参入できるようになりました。そこから生産量が年々増加し、いまや世界第2位のコーヒー生産国にまで発展を遂げています。
※生産量データ出所:米国農務省 June2020年より/1袋60kgで換算
ベトナムコーヒーの特徴は?

ベトナムコーヒーは、ロブスタ種のコーヒー豆を使用し、金属製の「カフェ・フィン」で濃く抽出した後、コンデンスミルクを加えて飲む、というのが伝統的なスタイルです。
ロブスタ種は酸味が少なく苦味が強く、深いコクが特徴的。一方で単品で飲むには個性が強すぎるため、インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料として使われる他、ブレンドのアクセントに用いられることの多い品種です。
そのためブラックで飲むことは少なく、コンデンスミルクを加えた「カフェ・スア(練乳入りコーヒー)」、さらに氷加えた「カフェ・スア・ダー(練乳入りアイスコーヒー)」、卵黄と練乳を使った「エッグコーヒー」など、ベトナム特有のスタイルも生まれています。
ベトナムコーヒーはどんな味?

ベトナムコーヒーの味は、甘く濃厚な口当たりが特徴です。
飲み物というよりはスイーツのような存在であり、少しずつ時間を掛けて楽しむコーヒーです。コーヒーとコンデンスミルクはよくかき混ぜるのが一般的ですが、あえてあまり混ぜずに飲むことで前半は苦く、後半はしっかりとした甘さを感じることができます。
ベトナムコーヒーの淹れ方

ここでは一般的なドリッパーを使った淹れ方、専用ドリッパー「カフェ・フィン」を使った淹れ方のそれぞれを紹介していきます。
一般的なドリッパーを使った淹れ方
【用意するもの】
- 深炒り中挽きのコーヒー粉 12~15g
- お湯 120m
- コンデンスミルク 20~25g
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- 耐熱グラス
【淹れ方】
- グラスにコンデンスミルクを注ぐ
- グラスにドリッパーとフィルターをセットし、コーヒー粉を入れる
- お湯を細目に注ぎ、濃く抽出する
- ドリッパーを取り外したら完成
カフェ・フィンを使った淹れ方
【用意するもの】
- 深炒り中挽きのコーヒー粉 12~15g
- お湯 120m
- コンデンスミルク 20~25g
- カフェ・フィン
- 耐熱グラス
【淹れ方】
- カフェ・フィンにコーヒー粉をセットする
- カフェ・フィンの蓋を閉め、ネジを締める
- グラスにコンデンスミルクを注ぐ
- グラスにカフェ・フィンを乗せる
- お湯を少量注ぎ、20秒ほどコーヒーを蒸らす
- 再度、お湯を注いでコーヒーを抽出する
- カフェ・フィンを取り外したら完成
ベトナムコーヒーで楽しいコーヒータイムを

ベトナムコーヒーは、濃厚な甘さと苦味が特徴的であり、日常にちょっとした贅沢をプラスしてくれる一杯です。
ロブスタ種のコーヒー豆を使うことから、アラビカ種を常飲している方にはバリエーションの1つとして、新しい発見があるかもしれません。またアレンジレシピも豊富かつ、自宅で簡単に再現できるのも魅力の1つ。
ベトナムコーヒーの世界を味わいながら、いつものコーヒータイムをより豊かにしてみてはいかがでしょうか。