コーヒー豆知識
スチームミルクとは?作り方とコツ8個!難しい?泡だらけ?
あなたは「スチームミルク」という言葉を聞いたことがありますか?
カフェラテやカプチーノなどに使われるミルクのことですが、「フォームドミルク」との違いを知らない方も多いと思います。
この記事では、スチームミルクとは何なのかを明らかにするとともに、スチームミルクを作る手順やスチームミルクを上手に作るコツについても分かりやすくまとめてみました。
スチームミルクとは?
スチームミルクとは、「蒸気で温められたミルク」のことを言います。スチームミルクとセットで「フォームドミルク」というものがあります。
コーヒー店でカプチーノを注文すると、ミルクがきめ細かいふわふわした泡状になっていますよね。あの泡の部分が「フォームドミルク」です。
泡の部分が「フォームドミルク」、泡以外の液状の温かいミルクの部分が「スチームミルク」というわけです。一般的にエスプレッソマシンのノズルから出される蒸気を使ってミルクを温め、キメの細かい泡を作っています。
コーヒー店に行くと「プシュー」「キーン」「チチチ…」という音が聞こえてくることがあると思いますが、あれがまさしくスチームミルクを作っている時の蒸気の音なのです。
スチームミルクを作るときに必要な道具
お店で飲むような「スチームミルク」をぜひ自宅でも作ってみたいですよね。本格的に蒸気を使ったスチームミルクを作るには「エスプレッソマシン」が必要になります。
値段はピンキリになりますが、エスプレッソマシンは1万から高いものでは数万〜十数万円になります。同じ機械でエスプレッソも抽出できますので、お店で飲めるような淹れたてのカフェラテ、カプチーノを作ることができます。
その他には
・ミルクピッチャー(温度を感じやすいのでステンレス製のものが良い)
・濡れ布巾(ノズルを拭いたりするため)
・温度計(慣れれば必要はない)
もスチームミルクを作る際に必要なものになります。
スチームミルクの作り方9ステップ
こちらではスチームミルクの作り方を段階を踏んで解説していきます。ぜひご自身でもスチームミルク作りに挑戦してみてください。
1. ミルクをピッチャーに入れる
冷えたミルクをピッチャーの3分の1〜2分の1程度の量を入れます。
2. 蒸気を空ぶかしする
空ぶかしをすることによってノズルの中に溜まった水を吐き出します。水蒸気が出なくなるまでふかしてください。これを怠るとミルクに水気が混ざり、味が薄まってしまうので注意が必要です。
3. ノズルの先を軽くミルクに入れた状態でスチームを開く
先にスチームを開いた状態でミルクに入れようとすると飛び散ってしまいますので、ノズルの先を1cm程度ミルクに入れた状態でスチームを開いてください。
4. ミルクの泡作り(ボリュームアップ)
まずは横回転の対流を作ってミルクに泡を作ります。
スチームを開いたらピッチャーを下にさげて、ノズルの先がミルクの液面ギリギリ(つくかつかないかくらい)にくるようにします。
ここでポイントになるのが「音」になります。「チチチ…」という音が出ていれば正解です。
5. ミルクの液面上昇に合わせてピッチャーを下げていく
うまく泡ができれば容量が増えていきますので、液面が上がってきます。ここで液面の上昇に合わせてピッチャーを下げていかないと、ノズルが入りすぎになり、泡は出ずにただミルクが温まるだけになってしまいます。
反対に下にさげるのが早すぎると、大きな泡になってしまいます。「チチチ…」という音を頼りにピッチャーの高さを調整してください。
ピッチャーの容量がいっぱいになったら泡立ての工程は完了です。ミルクの温度が高くなると泡立たなくなりますので、ミルクの温度が30℃になるまでに泡立てを終えるようにしましょう。
しかし、こちらは文字にすると簡単なように見えますが、スチーム作りで一番の難関ポイントになります。大きな泡ができたり、容量を増やしすぎて溢れさせてしまうこともあるでしょう。何度か練習して慣れが必要なステップになります。
※もしラテアートを作りたいなら、泡立てすぎるとやりづらくなりますので最初のミルクの量から1.2倍になるくらいがちょうど良いです。
6. ノズルを深く差しこむ
泡立てが終わったら次は「攪拌」に移ります。ノズルを深めにさして、縦回転の対流を作って泡を潰して細かくしていくのです。
ピッチャーを両手で包み込むように持ち「熱いな」と感じる頃がスチームミルクのちょうど良い温度(60℃付近)になります。ただ慣れていない段階では温度計を使って温度を測りながらでも構いません。
7. スチームを止めてからノズルをミルクから出す
適温になり攪拌を終える場合は、先にスチームを止めてからノズルをミルクから出してください。スチームを止めずにノズルを出そうとすると、蒸気によってミルクが吹き飛ばされるからです。
8. ピッチャーを机で軽く叩いて回す
ピッチャーの底を机で軽くトントンと叩いて大きな泡を潰します。そして軽く回して泡を落ち着かせてスチームミルクの完成となります。
9. 空ぶかしをしてノズルに残ったミルクを出す
最後にノズル内に残ったミルクを吐き出すために、空ぶかしを行いましょう。ノズルにミルクが残ったままだと機械の劣化の原因となります。
スチームミルクの温度
スチームミルクを一番美味しくいただける温度は「60℃〜65℃」になります。この温度でもっとも乳糖を甘く感じることができるからです。
65℃を超えてくると徐々に泡が粗くなってきて、70℃を超えてくると凝固が始まり「ボソボソとした感じ」になってしまいます。
また55℃を超えたあたりからミルクに粘度が生まれてきますので、温度が低すぎてもスチームミルク独特の「ふんわりとした感じ」がなくなってしまうのです。
スチームミルクを上手に作るコツ8個
こちらではスチームミルクをより上手に作るコツを紹介していきます。
・新鮮な牛乳を使う
・慣れないうちは牛乳の量は多めにする
・泡立てはなるべく早く終わらせる
・攪拌の時には泡立ては行わない
・攪拌の時、ノズルの角度は垂直よりやや倒す感じにする
・泡立てと攪拌ではノズルを当てる場所を変える
・仕上がりは60℃〜65℃にする
・冷えた牛乳を使う
以下で詳しく見ていきましょう。
1. 新鮮な牛乳を使用する
牛乳は鮮度が落ちるほどたんぱく質が不安定になります。熱を加えるとさらに不安定さが増してしまいますので、ふんわりとしたスチームミルクが作りにくくなるのです。
なるべく開封して間もない牛乳を使うことをお勧めします。
2. 初心者は牛乳の量を多めにする
牛乳の量は容器に3分の1程度入れるのが基本ですが、スチームに慣れないうちは多めに入れておくことをお勧めします。なぜかというと、量が多いと温まるのに時間がかかるために攪拌する時間を長めに取れるので、落ち着いて作業ができるからです。
3. 泡立ては早めに終わらせ攪拌に時間を使う
「ふわふわのきめ細かい泡」を作るためには泡を潰していく「攪拌」の時間をできるだけ多く確保することが重要になってきます。
最初からは難しいとは思いますが、なるべく短い時間で泡立てを完了できるようにしましょう。
4. 攪拌に移ったら泡立ては行わない
適量まで泡の量を増やしたら次は攪拌に移るのですが、攪拌の段階に入ったら泡立ては行わないようにしましょう。
30℃を目安に泡立ては完了するのですが、35℃以上ではたんぱく質が固まり始めていますので、泡立ちにくくなるからです。
5. 攪拌時に挿入するノズルの角度は垂直よりやや傾ける感じにする
攪拌は泡立ての段階で作った泡を、ミルクに縦方向の対流を起こすことによって泡を細かくしていきます。
ノズルを寝かせて入れすぎると、横回転が生まれて泡が攪拌しづらいのと、ミルクが暴れて溢れ出す恐れもあります。
ミルクの液面に対して垂直からやや傾ける(15〜30度)とうまくミルク内に縦方向の回転を作ることができ、きめ細かい泡を作りやすくなります。
6. 泡立てと攪拌ではノズルを当てる場所を変える
泡立て、攪拌ともにミルク内に対流を起こすことが大切になります。よってノズルは中央からずらした場所に当てることがコツになります。
また、泡立て(横回転)から攪拌(縦回転)で同じ箇所にノズルを当て続けていると、惰性で横回転が大きくなりすぎて溢れたり、大きな泡ができてしまう原因となってしまいます。
泡立てで量を増やして攪拌に移る時は、ノズルを当てる箇所を少し移動することをお勧めします。
7. 仕上がりは60℃前後にする
理想的なスチームミルクの温度は60℃〜65℃になります。慣れてくれば手の感触だけで適温が分かるようになりますが、最初のうちは温度計を使うと安心です。
8. 冷えた牛乳を使う
60℃前後で完成させることが美味しいスチームミルクを作るコツですが、5℃と10℃の牛乳があったとすれば、5℃の牛乳の方が60℃まで温める時間が長く確保できますよね。
それだけ攪拌に時間を使うことができるのです。牛乳自体を冷やすのはもちろん、容器の方も冷たくしておくとよりスチームに時間をかけることができます。
まとめ
「スチームミルク」はお店だけのものだと思っていませんでしたか?用具を準備すれば、自宅でもお店で飲むようなふわふわなラテを作ることが可能なのです。
最初は難しいかもしれませんが、慣れれば誰でも簡単に作れるようになります。こちらの記事を参考にぜひあなたもスチームミルク作りに挑戦してみてください。