スペシャルティコーヒーの意味・定義とは?評価基準・市場規模・割合

コーヒー豆知識

スペシャルティコーヒーの意味・定義とは?評価基準・市場規模・割合

いつもより格上のコーヒーを味わいたいと思ったら、スペシャルティコーヒーはいかがですか?近年日本でも流通量が増えてきている、話題のコーヒーです。

一般的なコーヒーと比べてどんな違いがあるのか、定義や品質について確認していきましょう。珈琲のある暮らしが、もっと好きになるはずです。

スペシャルティコーヒーの意味・定義とは?

スペシャルティコーヒーとは、ビートルズやジョン・レノンなど往年の歌手が生まれた1970年代のアメリカで生まれた言葉です。

スペシャルティコーヒーの謎を解いてくれるのが、From seed to cupというフレーズです。直訳すると1粒のコーヒーの豆から、1杯の珈琲カップまで…という意味。

私達はカフェや喫茶店でコーヒーを味わうとき、つい見た目の色や香り・味わいだけを見てしまいます。生豆の炒り方やドリップのやり方のみ着目してしまうのですが、スペシャルティコーヒーの場合は「農園で種をまく作業から」プロデュースしているこだわりぶり。コーヒー農園の農場主と相談しながら、本当においしい1杯を生み出せるように研究に研究を重ねているのです。

時間と労力がかかったスペシャルティコーヒーは、一般的に流通しているコーヒーと比べて深みのある味わい、風味と酸味が特徴的です。品質管理を究めているからこそ、至福の1杯を生み出していけるのです。

スペシャルティコーヒーの重要な要素3つ

真のスペシャルティコーヒーになるには、次の3つのポイントをクリアしていることが大切です。

1. サステナビリティ

どんなにキレ味の優れたコーヒーでも、1年限りで農園が潰れてしまったら、その味は2度と世の中に流通していかない幻の作品になります。ハイクオリティなコーヒーに求められているのは「同じレベルのコーヒーを、来年も再来年も生み出せるか」ということ。

同じ味のコーヒーを毎年作っていくためには、コーヒー農園の経営を軌道にのせたり、中長期的なプランを立てていったり、継続するための努力をすることも大切です。

2. クオリティ

スペシャルティコーヒーの看板を掲げるためには、抽出したとき旨みやエグみが少ないというのも重要なポイント。口当たりがなめらかで苦みと酸味の釣り合いが取れている商品を、おいしいコーヒーと呼んでいます。

実はコーヒーの木というのは、栽培がとても難しい植物の1つ。雨季と乾季のメリハリがある、特別な場所でしか元気に育ってくれません。収穫は1年に1回冬の季節におこなわれますが、赤く熟した実を付けるまでには、実に多くのプロセスを費やします。旨みの強いおいしいコーヒーを作るためには、生産者や焙煎者のあくなき挑戦が求められるのです。

3. インフォメーション

最近よく耳にするのが、トレーサビリティという言葉です。トレーサビリティとは流通ルートを追跡できる、食べ物の履歴書のようなシステムのこと。どの国のどの街の生産者がどんな製造ルートを使って商品を作ったのか、すぐに分かる画期的な仕組みになっています。

どんな人がどんな肥料を使ってコーヒー豆を作ったのか、オープンな情報があると商品価値はおのずと高まっていきます。「正しい情報を正しく伝えていく」というのは、ハイグレードなコーヒーを生み出すためにとても重要なのです。

スペシャルティコーヒーの品質

アメリカのスペシャルティ協会(SCAA)によると、市場に流通しているコモディティコーヒーやインスタントコーヒーに比べて、次のような違いがあるのがスペシャルティコーヒーの証だと伝えています。

・生産者の顔がわかる
・コクがあり、リッチな風味

まず重要なのは、どこの農園でどのように作られたコーヒー豆なのかが分かるかということ。生産者の顔が見えることは、飲む人の安心にも繋がるからです。また安全と同じくらい大切なのが、旨みやコク。花のようなアロマと重厚感のある渋みが適度にマッチした、バランスのとれた1杯を「スペシャルティコーヒー」と認定しています。

ちなみにカップ評価をおこない、80点以上の評価を持つのがスペシャルティコーヒー。80点未満50点以上をコモディティコーヒー(一般流通品)。50点未満をインスタントコーヒーとしています。コーヒーピラミッドの第1位が、スペシャルティコーヒーなのです。

スペシャルティコーヒーの認証団体

現在スペシャルティコーヒーの認証団体は、大きく分けて4つあります。地球環境や生産者を守るために作られた団体が多く、認定を受けるためには厳しい条件をクリアすることが大切です。

◯レインフォレスト・アライアンス
熱帯雨林や動植物のサポートに力を入れている非営利団体。平和を連想させる、カエルのロゴが有名です。

◯有機食品(JAS)
日本の農林水産省がバックアップを行っているマーク。農薬や化学的な肥料を使っていない食品に付けられます。

◯フェアトレード
世界の貧しい労働者を助けようと、作られた国際的な団体。厳しい監査をくぐり抜けた商品のみ、ライセンスが与えられています。

◯ウツ(Better forming Better future)
グアテマラに住むコーヒー農家と、オランダに住む焙煎業者が手を組んで生まれた団体。コーヒー豆以外にも、カカオやお茶など認証している商品は色々あります。

スペシャルティコーヒーの評価基準5つ

スペシャルティコーヒーの証印を得るためには、次の5つの基準を満たすことが大切です。

1. 香り

スペシャルティコーヒーの楽しみの1つが、心を癒してくれる楽園のような香り。丁寧に作られた生豆をローストしお湯を注いでいくと、ふわふわの湯気と一緒に香ばしいフレイバーが辺りを包み込んでくれます。

評価するときは、豆を挽くとき・抽出するとき・口に入れるとき、3つのシーンそれぞれの香りをジャッジしていきます。アーモンドやチョコレートのように深い香りがするのが極上の証。フレイバーやアロマがどう移り変わっていくのか、吟味されます。

2. 酸味

実はおいしいコーヒーに無くてはならないのは、果実のような酸味。酸味と聞くとレモンや梅干しのように酸っぱい物をイメージしますが、コーヒーの酸味は甘みと苦みが組み合わさって作られる特別な味。

口に入れたとき、鼻にぬけるシャープさがコーヒーの酸味になります。コーヒー好きの間ではこの酸味のことを、ラズベリーやマスカットなどの果実に例える場合も。おいしい酸味はコーヒーの旨みを強めてくれる、大切なスパイスなのです。

3. ボディ

コクのことを英語では、ボディと表現しています。ひと口飲んだときに、1つの層だけではなく2つや3つの層が重なって出てくるのが良質なコクです。

コクのあるコーヒーは、強さの感じられるコーヒー。キャラクターがしっかり立っているので、砂糖を入れたりミルクを入れたりアレンジしても、おいしい個性はそのまま。強さが引き立つ、パンチのある味わいが特徴的です。

4. アフターテイスト

コーヒーはワインと同じように「飲んだ後の余韻」が大切な飲み物です。舌に転がしたあと思わず幸せな気持ちになるコーヒーは、スペシャルティコーヒーの象徴。反対に顔をしかめたくなったり、水を飲みたくなったりするのは後味の悪いコーヒーです。

雑味の少ないコーヒーは、後味もすっきりしています。また飲みたくなる上品な余韻を残してくれるので、満足感も高くなります。

5. バランス

スペシャルティコーヒーに求められるのは、絶妙なバランス感。アロマの香りが弱すぎたり、コクやキレが今ひとつだったり、酸味が強すぎるものは嫌われてしまいます。

どれかが突出したり、欠けたりせずに調和が取れていることが必要です。調和が取れているものが、心地良いと評価される合格点のコーヒーなのです。

スペシャルティコーヒーの市場規模と割合

一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会の資料「スペシャルティコーヒー市場調査2018」によると、スペシャルティコーヒー輸入量は、2016年33,889トン(全体の8.2%)から48,866トン(全体の11.0%)になり、大きく伸びています。

日本国内で人気が上がっていることが数字からも分かります。

まとめ

日本の市場にも流通し始めている、おいしいスペシャルティコーヒーについてお届けしました。ハイグレードなスペシャルティコーヒーの定義を知って、コーヒーのように奥深い人生を紡いでみてくださいね。

UCCのドリップポッドでもスペシャルティコーヒーの飲み比べセットや産地別の商品を豊富に揃えていますので、ぜひ飲んでみてください。

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