コーヒー豆知識
コーヒー豆の保存方法と場所!常温・冷蔵庫・冷凍庫?保存期間で変わる?
一見すると、日持ちがしそうなコーヒー豆。でも実は、とてもデリケートな食品で、「ある日飲んだら、酸っぱい味がして風味もない」という経験をされた方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コーヒー豆の鮮度をキープする保存方法や賞味期限、保存場所についてご紹介します。ぜひ参考にして、毎日のコーヒータイムを楽しんでくださいね。
コーヒー豆は腐る?
コーヒー豆はその見た目から、「乾物」としてのイメージが強く、腐らずに日持ちがするものだと思っている方も多いのではないでしょうか?
コーヒー豆の劣化具合に関しては、腐る腐らないという言い方ではなく、「酸敗する」という表現がふさわしいといえます。
酸敗とは酸化してコーヒー特有の味わいや風味、香りなどが変化して酸味が強くなってしまうことを指しますが、この変化は見た目でわかるものではありません。
例えば、コーヒーショップに長いこと展示してあるサンプル品のコーヒー豆。この鮮度を見た目で判別できる人は少ないでしょう。
コーヒー豆は見た目やイメージとは違い、保存食のように日持ちがするものではありません。むしろ鮮度重視の、とてもデリケートな食品です。
そのため、コーヒー豆の劣化を防ぎ、本来の味わいを長く楽しむには、正しい保存場所と適切な方法で管理することが大切です。
コーヒー豆が劣化する原因
せっかくのお気に入りのコーヒー豆。その味わいや香りを劣化させる原因は、主に4つあります。
・直射日光が当たっている
・酸素に触れている
・高温である
・多湿である
少し意外ですが、紫外線はコーヒー豆を劣化させるため、太陽光や蛍光灯の光が当たらないように配慮しましょう。また、脂質が豊富なため、酸素に触れることで酸化します。
温度が高いことも、鮮度を維持するうえではよくありません。冷蔵庫などの低温保存が推奨されるのは、温度が高いほど酸化が進んでしまうからです。
そして、湿気にも注意してください。焙煎豆にある小さい穴が湿気を吸着すると、水滴がついてカビが生えてしまいます。コーヒーの鮮度を保つためには、劣化させる原因を把握して、管理の徹底に努めましょう。
コーヒー豆の賞味期限は?どれくらい日持ちする?
コーヒー豆の賞味期限は、メーカーや開封状況、豆の形状によりかなり違いがあります。
<コーヒー豆をおいしく飲める期間>
・未開封(豆):90日
・開封済(豆):30日
・開封済(粉):7〜10日
豆のままで未開封であれば、焙煎後「90日」を目安にするといいでしょう。ただしこれは、「美味しく飲める期間」のことであり、コーヒー本来の香りや風味を味わうためには、できるだけ早めに飲みきることをおすすめします。
また、コーヒー豆は脂質が多く、酸化しやすいため、一度開封したものに関しては、賞味期限が大幅に短くなることも覚えておきましょう。封を開けると、酸素や湿気に触れてしまい、コーヒー豆が劣化するからです。
賞味期限は、豆の形状によっても異なります。開封後のコーヒー豆は、粉タイプなら7〜10日以内、豆のままなら30日以内に飲みきってください。
特に粉タイプのコーヒー豆は、酸素と触れる表面積が増える分、豆の状態よりも酸化しやすくなっています。たとえ賞味期限内だったとしても、少しずつ酸化は進んでしまうため、なるべく早く飲みきりましょう。
コーヒー豆の保存方法
新鮮なコーヒーの味わいを長く楽しむ秘訣は、保存方法にあります。ポイントは主に2つです。
・コーヒー豆は鮮度を保つ条件で保存する
・コーヒー豆の保存には密閉容器を使用する
つまり、「密閉容器に入れて高温多湿を避けて保存する」ということです。劣化の要因から豆を守り、鮮度を保つように保管しましょう。また、開封前と開封後では保存方法に違いがあります。
未開封:15℃以下の風通しのいい場所に常温保存(数日で飲み切れる量の場合)
開封後:袋ごと保存容器に入れて冷蔵庫や冷凍庫で保管
コーヒー豆の鮮度は、保存環境に影響されやすいため、鮮度を保つための理想的な条件を知っておくことは大切です。 ここでは、コーヒー豆の保存方法やその条件、密閉容器に保存するメリットについてさらに詳しくご紹介します。
コーヒー豆は鮮度を保つ条件で保存する
コーヒー豆の鮮度を保つ条件は、大きく分けて4つです。
・紫外線から守る
・酸素に触れないようにする
・高温を避ける
・多湿を避け、湿度を一定に保つ
コーヒー豆はこれらの条件を満たすことで鮮度を保ち、味の劣化を防ぐことができます。そのため、豆を保存する際には、酸素に触れないように密閉し、風通しがよく直射日光の当たらない場所に保存することを心がけてください。冷蔵庫や冷凍庫で保管するのもいいでしょう。
コーヒー豆の保存には密閉容器を使用する
コーヒー豆はデリケートなため、保存には密閉容器を使用するのがおすすめです。メリットは、主に3つあります。
・直射日光が当たらない
・酸素に極力触れない
・ニオイ移りしない
容器に入れて密閉することで、直射日光や酸素、他の食品のニオイ移りからコーヒー豆を守ることができます。
コーヒー豆を保存する際は、光・酸素・温度・湿気の4つの条件に配慮し、密閉容器に入れて保管します。未開封で少量の場合は、冷暗所などに常温保存、一度開封したものであれば、袋ごと密閉容器に入れて冷蔵庫などで保存してください。
コーヒー豆の保存場所
ご家庭でコーヒー豆を保存する場合、冷蔵庫や冷凍庫は、日差しが当たることがなく、温度と湿度を一定に保つことができるため、おすすめの場所です。また、保存場所として常温・冷蔵庫・冷凍庫のどこが適切なのかは、保存する期間によっても変わります。
先にもお伝えしたように、未開封ですぐに飲みきれる量の場合、室温が15℃以下であれば、常温保存で構いません。しかし、ある程度の期間を保存したい場合は、冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。豆の鮮度を保ち、コーヒー特有の風味を長く味わうことができます。
ただし、冷蔵庫で保存する場合は、必ず密閉容器に入れた状態で保管してください。コーヒー豆は多孔質でニオイを吸着しやすい食品です。ニオイ移りを防ぐために、密閉性の高い容器に入れて保存しましょう。
コーヒー豆のおすすめ保存容器
コーヒー豆の保存容器、「コーヒーキャニスター」。材質はさまざまで、デザインもオシャレですが、どの容器を選ぶにしても密閉性が高いことが必須条件です。容器を選ぶ際のポイントをまとめました。
<保存容器のポイント>
・密閉性が高い
・1ヶ月で使いきれるサイズ
・遮光性が高い
コーヒー豆の保存容器には、密閉性が高く1ヶ月で使いきれるサイズを選ぶことをおすすめします。1ヶ月で使いきれるサイズとは、1日一杯のコーヒーを飲む場合で、500 g の容量が入る程度が目安です。
また、注ぎ口にパッキンがある方が密閉性が高くなります。光が当たると豆が劣化するので、遮光性も重視してくださいね。
続いて保存容器の材質についてです。素材によって若干の差はありますが、大きな問題となる部分ではありません。置き場所やデザイン、使い勝手など、自分の好みに合わせて選びましょう。
<保存容器の材質>
・ガラス製
・金属製
・ホーロー製
・陶器製
・プラスチック製
金属製・ホーロー製・陶器製は、遮光性が高いのが魅力です。ガラス製は光を通しやすいのが難点ですが、中身が見えてとってもオシャレ。プラスチック製は軽くて落としても割れにくいうえに、密封しやすいなど、扱いやすいのが特徴です。コーヒー豆はしっかり密閉して鮮度を保ち、長く風味を味わいましょう。
コーヒー豆の保存に冷凍庫はダメ?
長い期間保存する際は、冷凍保存がおすすめです。しかし冷凍庫で保存する場合は、中と外の温度差が大きいことから水滴がつきやすいため、注意しましょう。 コーヒー豆は水分に触れると劣化し、味が悪くなってしまいます。
また、カビの原因にもなるので、頻繁に出し入れすることは控えてください。冷凍庫に保存する場合は、小分けにして、使う分だけをその都度取り出すようにするといいでしょう。また、前もって冷蔵庫に移してゆっくりと自然解凍させると、水滴がつきにくくなります。
コーヒー豆を保存するときのコツと注意点3個
コーヒー豆は、コツを押さえて上手に保存すると、風味が長持ちします。注意点も併せてご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
1. 粉ではなく豆のまま保存する
コーヒー豆を保存する場合は、「粉タイプ」か「豆のまま」かのどちらかで保存することになりますが、鮮度を長く保てるのは、「豆」の方です。
粉タイプは細かく砕かれている分、空気に触れる表面積が豆の状態よりも多くなるので、酸化するのが早くなります。一度にたくさんの豆を挽いてストックするのではなく、飲む直前に、その都度挽いて淹れてください。
2. 常温・冷蔵庫・冷凍庫を使い分けて保存する
コーヒー豆の保存場所として、「常温」「冷蔵庫」「冷凍庫」のどこが適しているのかは、豆の量や室温、日当たりや開封の前後など、状況によって変わります。
未開封であり、数日で飲みきれる量の場合は、風通しの良い場所に「常温」保存で構いません。開封済みのコーヒー豆を単純に保存しておきたい場合は「冷蔵庫」、長い期間保存する場合は「冷凍庫」で保管する方が向いています。ただしその際は、ニオイ移りや水滴がつかないように工夫しましょう。
3. 袋ごと保存容器に入れる
外気にさらす保存方法は、品質を悪くする要因となります。そのため、コーヒー豆は直接キャニスターに入れるのではなく、袋ごと保存容器に入れてください。さらに、容器の中で袋の口が開かないように、輪ゴムやテープでしっかり閉めて、なるべく空気に触れないように気をつけましょう。
まとめ
コーヒー豆は鮮度が命のデリケートな食品です。そのため、保存期間や季節によって保存方法が変わります。常温、冷蔵庫、冷凍庫など、いずれの場所に保存する場合でも、酸素に触れないように配慮してくださいね。
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