コーヒー豆知識
キリマンジャロコーヒーとは?特徴や味、歴史について解説!
「キリマンジャロコーヒーとは何なのか分からない」
「キリマンジャロコーヒーの味や歴史について知りたい」
このような悩みを抱いている方もいるのではないでしょうか。
本記事ではキリマンジャロコーヒーとは何かについて解説します。キリマンジャロコーヒーの特徴や味、歴史などについてまとめました。
本記事を読むことでキリマンジャロコーヒーについて深く知ることができます。キリマンジャロコーヒーについて知見を深めたい方はぜひお読みください。
キリマンジャロコーヒーとは?

キリマンジャロコーヒーとは、タンザニアとケニアの国境にそびえる山であるキリマンジャロで栽培されているコーヒーを指します。人気知名度ともに高く、世界中で愛されています。
心地よい独自の酸味と甘い香りがあり、喉越しはすっきりして味わいは上品です。アフリカの力強さと優しさを彷彿とさせるような野性味溢れるコーヒーです。
キリマンジャロはアフリカ大陸最高峰の山で5,895mもあり、赤道付近にありながら氷河があるのが特徴です。山の麓はキリマンジャロコーヒーの産地が広がる森林地帯となっています。
キリマンジャロという名前の由来は明らかになっていませんが、「輝く峰」「終わりのない旅路」「我々の山」などを指す言葉を、ヨーロッパ人が訛って「キリマンジャロ」と呼ぶようになったという説があります。
キリマンジャロコーヒーの歴史
タンザニアでコーヒーが栽培された記録は、今から300年以上も前のことです。タンザニアのブコバ地方に、ウガンダの部族がコンゴに自生していたコーヒーの種子を持ち込んだのが始まりと言われています。当時はコーヒー栽培を行っていたのは一部の部族だけでした。
本格的にタンザニアでコーヒー栽培が行われてきたのは、第一次世界大戦前後のことです。このあたりから世界のコーヒー需要が伸びてきており、新しい産地の開拓が求められていました。そして、新しい産地としてキリマンジャロの麓が注目されたのです。
第一次世界大戦前後が終わり、1914年頃にはキリマンジャロに100を超えるプランテーション(欧米諸国の植民地の国が開発した大規模農園のこと)が開拓されました。結果、200万本ものコーヒーの木が栽培されました。しかし、この時点ではキリマンジャロコーヒーは高品質ブランドとして確立されてはいません。
月日が流れ1960年代、植民地支配からの独立を果たしたタンザニアでは、現地の農民の手によって、個人農園が広がり始めていました。
より高品質なコーヒーの栽培・加工技術が定着していき、ついにはキリマンジャロコーヒーは世界的な高品質ブランドとして認知されるようになりました。現在も世界中にキリマンジャロコーヒーのファンがいて、その希少性の高さから世界三大コーヒーの1つとして数えられることも多いです。
キリマンジャロコーヒーのランク付け
コーヒー豆は育ち具合によってランクが付けられ、ランクによって価格が決まります。各生産国ごとに異なるランク付けの基準が設けられています。
タンザニアのアラビカ種コーヒーの場合は、「AAA」「AA」「A」「B」「PB」「C」「E」「F」「AF」「TT」「UG」「TEX」の12段階に分けられます。コーヒー豆の大きさや欠点豆の混入度合いによって決まります。
キリマンジャロとヘミングウェイの関係
キリマンジャロが有名になった理由の1つに、ヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」というタイトルの小説があります。非常に名作で映画化もされている小説です。
キリマンジャロの山頂に一頭の豹の屍が凍りついて横たわっているところからお話は始まります。たった数行程度ながら、小説全体の印象を決定付けるほどの文章であり、キリマンジャロも有名になりました。
キリマンジャロコーヒーの特徴・味

キリマンジャロコーヒーの特徴や味は次のとおりです。
このような味、香りを持つキリマンジャロコーヒーは、世界中で評価されています。ひとつひとつの特徴について詳しく解説していきます。
強い酸味とコクがある
キリマンジャロコーヒーは強い酸味とコクがあります。野性味溢れる味と評されることが多いです。苦みはそこまで強くなく、コーヒー初心者にも比較的飲みやすいと思われます。コーヒーらしい強い苦みよりも、すっきりした酸味を味わいたい方におすすめです。
コーヒー豆の焙煎度合いによっても味は大きく変わります。浅炒りや中煎りだと上品な酸味を感じられます。深炒りにすると酸味はある程度薄まるようになります。
上品な香り
キリマンジャロコーヒーは香りが上品なのも魅力です。標高が高い山で栽培されるコーヒー豆は、香りが上品になりやすいと言われています。キリマンジャロコーヒーの香りによって、優雅なコーヒータイムを過ごすことができます。
世界三大コーヒーとは?

キリマンジャロコーヒーは世界三大コーヒーの1つと称されることがあります。他には、ブルーマウンテンやハワイコナが該当します。これら3つのコーヒーは希少性が高く、それぞれが異なる環境・製法で栽培されているのが特徴です。
ブルーマウンテンやハワイコナはどういったコーヒーなのかについて解説します。
ブルーマウンテン
ブルーマウンテンはジャマイカの東側に連なるブルーマウンテンで栽培されるコーヒーです。品質が厳密に管理されており、「コーヒーの王様」とも呼ばれ、世界最高クラスのコーヒーとして広まっています。
ジャマイカでは気候や土壌がコーヒー栽培に適していたこともあり、コーヒー産業が一気に広がりました。傾斜地が多くて土壌の流出が起こるなどさまざまな問題が発生しつつも、コーヒー産業公社を設立するなど、コーヒー産業の発展に努めてきました。
ブルーマウンテンを名乗れるのは、ブルーマウンテン山脈の内側にあたる、ブルーマウンテンエリアで栽培されたコーヒーのみです。ブルーマウンテンはコーヒー栽培に適した寒暖差、土壌なうえに、霧が頻繁に発生するのが大きな利点です。霧はコーヒーの木と土壌に適度な水分をもたらしてくれます。
ハワイコナ
ハワイコナはハワイ島のコナ地区で栽培されるコーヒーです。コーヒー豆は独特な青緑色をしています。やはり生産量が少なく、希少性の高いコーヒーとして知られています。
コナ地区はハワイの中でも降水量と日射のバランスが取れていて、コーヒー栽培に適した地域です。ハワイ州ではマウイ島、オアフ島、カウアイ島でも栽培を行っていますが、ハワイ島のコナのコーヒーが最高品質とされています。
コナ地区の土壌はミネラルが豊富で水はけが良いのが特徴です。昼と夜の寒暖差もあり、コーヒー栽培に適した環境であると言えます。
キリマンジャロコーヒーのおすすめの楽しみ方

キリマンジャロコーヒーのおすすめの楽しみ方は次のとおりです。
- そのままブラックで飲む
- ブレンドで楽しむ
- コーヒーゼリーにする
ひとつひとつの楽しみ方について詳しく解説します。
そのままブラックで飲む
まずはそのままブラックで飲んでみることをおすすめします。キリマンジャロコーヒーの軽やかな酸味を楽しむと良いです。酸味が強いためそこまで苦くなく、ブラックでも比較的飲みやすいです。苦いと感じたらミルクを足すと良いでしょう。
ブレンドで楽しむ
キリマンジャロコーヒーはブレンドにするのもおすすめです。そのまま飲んでみて酸味が強いと感じる場合、他のコーヒー豆と合わせることで、バランス良くなります。ブラジルコーヒーなど、ブランドコーヒーに多く使用されているものがまずはおすすめです。
コーヒーゼリーにする
爽やかな味わいであるキリマンジャロコーヒーは、コーヒーゼリーにするのもおすすめできます。コーヒーゼリーはコーヒーらしい苦みとツルンとした喉越しを味わえるのが魅力です。また、淹れ立てのコーヒーでコーヒーゼリーを作ると、香りも楽しめます。
キリマンジャロコーヒーを抽出したら砂糖を加えます。コーヒーが冷めないうちにゼラチンパウダーを入れてかき混ぜましょう。少し冷まして、好きな形の型やグラスに入れます。冷蔵庫で1〜3時間程度冷やして固めれば、コーヒーゼリーの完成です。
お好みで練乳やコーヒーフレッシュをかけてもおいしいです。
キリマンジャロコーヒーのおすすめの活用方法

最後に、キリマンジャロコーヒーのおすすめの活用方法について解説します。キリマンジャロコーヒーは次の3つのような場面で活用してみてはいかがでしょうか。
- リラックスしたいとき
- 集中力を高めたいとき
- 大事な人へのプレゼントとして
ひとつひとつの活用方法について詳しく解説します。
リラックスしたいとき
上品な香りを持つキリマンジャロコーヒーは、リラックスしたいときにぴったりです。頑張った日は、自分へのご褒美としてランクの高いキリマンジャロコーヒーを飲むのも良いでしょう。
キリマンジャロコーヒーはフルーツや洋菓子と合わせるのもおすすめです。非日常感のある贅沢なおやつタイムを楽しめます。
集中力を高めたいとき
集中力を高めたいときにも、キリマンジャロコーヒーがおすすめです。もうひと頑張りが必要なときにすっきりしたコーヒーを飲むことで、モチベーションを高められます。
大事な人へのプレゼントとして
上質なキリマンジャロコーヒーを友だちや家族にプレゼントするのもおすすめです。苦みがそこまで強くないコーヒーなので、コーヒーが苦手な方でも比較的飲みやすいです。
世界三大コーヒーにも数えられていて、多くの人が知っているコーヒーです。キリマンジャロコーヒーをきっかけに話も弾みやすいでしょう。
まとめ
本記事ではキリマンジャロコーヒーについて解説しました。キリマンジャロコーヒーの特徴や味、歴史などがお分かりいただけたかと思います。
キリマンジャロコーヒーはタンザニアにあるキリマンジャロという山の麓で栽培されるコーヒーであり、どこかアフリカを思わせるような野性味溢れる味が特徴です。
キリマンジャロコーヒーは世界三大コーヒーにも数えられる、希少性の高いコーヒーです。酸味が強く香りも豊かで飲むと優雅な気分になれるので、ぜひ一度お試しください。
キリマンジャロコーヒーはまずはそのままブラックで飲んでみることをおすすめします。酸味が強いと感じる場合は、他のコーヒーとブレンドして楽しむのも手です。リラックスしたいときや、集中力を高めたいときなどに飲んでみましょう。
また、キリマンジャロコーヒーでコーヒーゼリーを作ってみるのも楽しみ方の1つです。キリマンジャロコーヒーは味わいが爽やかなので、ゼリーにもぴったりです。淹れたてのコーヒーを使ってゼリーを作ることで、コーヒーの香りも楽しむことができます。