コーヒー豆知識
グアテマラコーヒーの味の特徴は?その歴史や産地、淹れ方を紹介
コーヒー好きなら一度は耳にしたことがあるグアテマラコーヒー。グアテマラは高品質なコーヒー生産地として有名であり、世界中のコーヒー愛好家から注目されています。
本記事では、そんなグアテマラコーヒーの歴史や栽培環境、味の特徴などについて解説していきたいと思います。
産地のグアテマラはどんな国?

グアテマラ共和国は、中央アメリカ北部に位置する国です。
国土面積は約10万9,000㎢で日本の1/3程度。国土の約70%が火山に囲まれた山岳地帯となっており、火山灰による肥沃な土壌、標高1,500mを超える高地、寒暖差による豊富な降雨量が、コーヒー栽培に適した環境を生み出しています。
グアテマラにおけるコーヒーの歴史
1750年頃に修道士がコーヒー苗を持ち込んだことが、グアテマラにおけるコーヒー歴史の始まりとされています。
しばらくの間はコーヒー栽培が大きく栄えることは無かったものの、1832年に政府がコーヒー生産に対する免税や生産割当を実施したことで生産量が増加。1850年以降にはコーヒーが輸出産品となり、アメリカやヨーロッパで高品質なコーヒーとして認知されるようになりました。
その後、グアテマラでのコーヒー産業は加速を続け、1960年には生産者や輸出業者に対する技術支援や品質向上を目的とする団体「Anacafé(アナカフェ)」が発足。現在は農産物輸出額の40%を占める一大産業にまで発展しており、人口の約1/4がコーヒー産業に関与していると言われています。
グアテマラコーヒー豆の産地
グアテマラは高品質なコーヒー豆の生産地として世界的に有名であり、地域ごとの特徴を活かした多様なコーヒー豆があります。
特にアティトラン、アンティグア、オリエンテ、コバン、フライハネス、ウエウエテナンゴ、サンマルコス、アカテナンゴの8つの地域は、Anacaféによって主要産地として登録されており、中でも「アンティグア」と「ウエウエテナンゴ」は日本でも産地ブランドとして名高い存在となっています。
なお、グアテマラの一部地域ではマヤ文明の教えからか、「切る」という行為が生命を奪う行為と同義に捉えられています。その影響もあり、樹齢100年の木からコーヒーの実を収穫している地域もあります。
グアテマラコーヒーはどんな味?

産地や等級によって違いがあるものの、爽やかな酸味と飲みごたえのあるボディが特徴。また、深いコクとナッツやチョコレートのような甘みを持っており、上品な後味を感じることができます。
重厚なボディであるため、ミルクや砂糖を加えても風味がしっかりしており、ブレンドのベースとしても使われることがあります。
グアテマラコーヒーの等級
等級 |
産地の標高 |
SHB(ストリクトリーハードビーン) |
1,350m以上 |
HB(ハードビーン) |
1,200~1,300m |
SH(セミハードビーン) |
1,050~1,200m |
EPW(エクストラ プライム ウォッシュド) |
900~1,050m |
PW(プライム ウォッシュド) |
750~900m |
EGW(エクストラ グッド ウォッシュド) |
600~750m |
GW(グッド ウォッシュド) |
600m以下 |
グアテマラコーヒーは、産地の標高によって7つの等級に分けられており、より高い地域で栽培されたものほど高い等級が付与されています。
スペシャルティコーヒーとしても人気
グアテマラコーヒーは、サードウェーブコーヒーとしても注目されています。
サードウェーブコーヒーとは、コーヒーを「ただ飲むもの」として考えるのではなく、「楽しむもの」として捉える文化の潮流のこと。産地や栽培方法、焙煎、抽出までの全プロセスにこだわり、そのコーヒー豆が持つ風味を最大限に引き出すことを重視します。
特定の産地に限定したものを「シングルオリジン」、特定の農家に限定したものを「シングルエステート」と呼び、こういった要素にこだわったコーヒーをスペシャルティコーヒーと呼びます。
特に、グアテマラコーヒーの中では標高の高い地域で栽培されている「アンティグア」や「ウエウエテナンゴ」がスペシャルティコーヒーとして世界的な評価を受けています。
グアテマラコーヒーの淹れ方

ここではドリップ式の抽出方法による「グアテマラコーヒーの淹れ方」を紹介していきます。
用意するもの
- グアテマラのコーヒー粉(中細挽き)※
- お湯 注ぐのは1杯分あたり160ml程度(カップの温めなどにも使うので多めに用意)
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- コーヒーカップ
※1杯分あたり10~12g。風味の個性を味わうなら、おすすめの焙煎度は中炒り~浅炒りのものがおすすめです。
淹れ方の手順
- 各種器具とコーヒーカップをあらかじめ湯煎して温めておきます。
- ドリッパーにフィルターをセット、グアテマラのコーヒー粉を1杯入れます。(粉は平らになるように)
- 粉の表面にそっと少量のお湯(92〜96℃)を注ぎ、20秒ほど蒸らします。
- 中心から小さく円を描くように、数回に分けて1杯分あたり160ml程度のお湯を注いでいきます。
- 注いだお湯がドリッパーに落ちきったら、カップへ注いでグアテマラコーヒーのできあがり。
グアテマラコーヒーのアレンジレシピ「カフェ・コン・レチェ」

ここではグアテマラコーヒーのアレンジレシピとして、泡立てた牛乳を使って作るミルクコーヒー「カフェ・コン・レチェ」の作り方をご紹介します。
作り方
- グアテマラコーヒーを濃いめに抽出します
- 牛乳を65℃程度まで温めます(500Wの電子レンジで1分程度)
- 温めた牛乳をミルクフォーマーで泡立てます
- コーヒーと牛乳を1:1の割合で注ぎます
- お好みで砂糖やはちみつ、チョコレートソースを加えたら完成
カフェラテに近い見た目をしていますが、カフェラテよりも甘みが強いのがカフェ・コン・レチェの特徴。夜のリラックスタイムなどにも相性抜群の1杯です。
グアテマラコーヒーで優雅なひと時を

グアテマラコーヒーは、産地それぞれ異なる風味を楽しめます。キレの良いフルーティーな酸味と甘い香りが際立ち、その上質な味わいは世界中のコーヒー愛好家に愛されています。
まずはブラックでコーヒー豆本来の繊細な風味を堪能しつつ、その後グアテマラで親しまれている「カフェ・コン・レチェ(ミルク入りコーヒー)」にアレンジすれば、まるで現地で飲んでいるかのような優雅なひと時を楽しむことができます。
日常のコーヒータイムをグアテマラコーヒーで少し贅沢な時間にしてみてはいかがでしょうか?