コーヒー豆知識
フレンチプレスとは?メリットや必要な道具、抽出方法を解説!
「フレンチプレスとは何か分からない。普通のドリップコーヒーと何が違うの?」
「フレンチプレスを使ったコーヒーの抽出方法が分からない」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
本記事ではフレンチプレスとは何かについて解説します。フレンチプレス(浸漬式)とドリップコーヒーなどの透過式の違いや、フレンチプレスでのコーヒーの抽出方法、必要な道具についてまとめました。
本記事を読むことで、自分でフレンチプレスを使っておいしいコーヒーを抽出できるようになります。フレンチプレスのコーヒーに興味がある方はぜひ参考にしてください。
フレンチプレスとは?

フレンチプレスとはコーヒーを抽出する器具のことで、コーヒープレスとも呼ばれています。フレンチプレスの特徴は、浸漬式(しんししき)という方法でコーヒーエキスを抽出することです。浸漬式はお湯に直接コーヒーの粉を漬け込むことで、抽出するやり方を指します。
フレンチプレスは、器具にコーヒー粉とお湯を入れて2〜4分程度待ち、プランジャーと呼ばれるものを押し下げることで、粉とエキスを分離させて抽出します。
浸漬式でコーヒーを抽出する器具としては、他にはサイフォンが有名です。サイフォンはフラスコの底を熱することで生じる気圧差によってコーヒーを抽出します。
透過式とフレンチプレス(浸漬式)の違い
日本の喫茶店や飲食店ではドリップコーヒーが多く提供されています。ドリップコーヒーは透過式という方法で抽出されたコーヒーです。
透過式はコーヒー粉をペーパーフィルターやステンレスフィルターにセットし、上からお湯を注ぐことでエキスを抽出するやり方を指します。
多くの家庭で行われているペーパーフィルターを使用したやり方の場合、あまり多くのコーヒーエキスが抽出されないことが多く、さっぱりして飲みやすくなるのが特徴です。一方で浸漬式の場合、コーヒー粉を入れたお湯を直接飲むわけですから、その分多くのエキスが入っており、濃厚な味を楽しめます。
フレンチプレスのメリット

フレンチプレスはドリップコーヒーなどにはない魅力がいくつかあります。代表的なフレンチプレスのメリットは次の3つです。
- 誰でも簡単にコーヒーを抽出できる
- コーヒー豆による違いを楽しみやすくなる
- コーヒーオイルを楽しめる
ひとつひとつのメリットについて詳しく解説していきます。
誰でも簡単にコーヒーを抽出できる
フレンチプレスを使えば、誰でも簡単にコーヒーを抽出することが可能です。抽出する人によってコーヒーの味が大きく変わってしまうこともなく、初心者向けと言えます。
ドリップコーヒーの方が日本で馴染みが深いですが、実はドリップコーヒーは抽出するのに技術が求められます。お湯の温度や注ぐタイミング、蒸らす時間などを上手く調整しないといけません。
一方で、フレンチプレスを使う場合、分量や蒸らし時間の目安をしっかり守れば、味が変わることはなく毎日同じ味のコーヒーを楽しめます。
ただし、器具の掃除はフレンチプレスの方が面倒なのでそこは注意が必要です。また、コーヒーを抽出する人の技術が求められないので、つまらないと感じる方もいるかもしれません。
コーヒー豆による違いを楽しみやすくなる
フレンチプレスを使って抽出すると、コーヒー豆による違いを楽しみやすくなります。浸漬式ではフィルターを通さない分、より多くのコーヒーエキスが抽出されるためです。
「ドリップコーヒーの味の違いが分からない」という方でも、フレンチプレスで抽出することによって、味の違いを感じやすくなる可能性があります。
コーヒーオイルを楽しめる
フレンチプレスを使って抽出する場合、コーヒーオイルを楽しむことができます。コーヒーオイルとはコーヒー豆から抽出した油のことで、コーヒー豆の成分の約11%を占めます。
透過式の場合、フィルターがコーヒーオイルの多くを取り込んでしまいます。
浸漬式の方がより多くのコーヒーオイルを抽出可能です。オイルが多く入っていると、コーヒーの旨味や香り、コクがより引き立つようになります。
フレンチプレスでコーヒーを抽出するのに必要な道具

フレンチプレスでコーヒーを抽出する場合、最低限必要な道具は次の5つです。
- フレンチプレス
- スプーン
- ケトルなど
- 計量器
- タイマー
フレンチプレス本体以外は特別なものは必要なく、すでに揃っているという方も多いかと思います。ひとつひとつの必要な道具について詳しくみていきましょう。
フレンチプレス
フレンチプレスはステンレスタイプとガラスタイプの2種類があります。ステンレスは保温性に優れている点、ガラスは軽い点がメリットですので、好みに合わせて選びましょう。
素材以外には、洗いやすさも大切です。汚れが付きやすいかどうか、分解しなくてもそのまま洗えるかどうか、などを確認しましょう。
製品の見た目の中でも異なるのがフィルターの枚数です。フィルターは通常は1枚の場合が多いですが、3枚になっている製品もあります。
また、容量は350mlタイプのものもあれば、1,000mlタイプのものもあります。350mlだと2〜3カップ、1,000mlだと7〜8カップ程度飲めます。コーヒーをたくさん飲む場合や、家族が多い場合なら大容量タイプを選ぶのがおすすめです。
後は、器具のデザインも大切です。キッチンなどに置いても違和感がなく、デザインが好みなフレンチプレスを選びましょう。
スプーン
コーヒー粉の量を正確に量るための計量スプーンが必要です。計量スプーンはどこにでもある普通のもので問題ありません。
また、フレンチプレスにお湯を入れた後にかき混ぜるための、長いスプーンも必要です。かき混ぜることでお湯がしっかりコーヒー粉に接触して馴染みます。
ケトルなど
フレンチプレスにお湯を入れる際にはケトルややかん、電気ポットなどが必要です。どれを使っても特に問題はありません。
ドリップコーヒーの場合は、お湯を注ぐスピードやタイミングをコントロールしないといけないため、注ぎ口が細い専用のケトルが必要です。フレンチプレスに関してはスピードやタイミングのコントロールが不要なため、専用のケトルは必要ありません。
計量器
フレンチプレスに入れるお湯の量を正確に量るための計量器が必要です。フレンチプレスは抽出が簡単なのがメリットですが、分量だけはしっかり量る必要があります。
最初はフレンチプレスの取扱説明書に書かれたお湯の量を入れてみて、慣れてきたら好みの濃さに合わせて調整してみましょう。
計量器は特にどの製品でも問題ありませんが、カバーを外して洗えるタイプだと清潔に使えます。また、大画面表示で数値が見やすいものだと目が悪い方でも使いやすいです。
タイマー
フレンチプレスにお湯を入れたら、タイマーをセットする必要があります。フレンチプレスではお湯に浸ける時間を正確に測る必要があり、タイマーは必須です。
なお、フレンチプレスによっては砂時計が本体に付いていて時間を測れるものもあるので、好みに応じて購入するのも良いです。砂時計は見た目もおしゃれなのでおすすめです。
フレンチプレスでのコーヒーの抽出方法

フレンチプレスを使ってコーヒーを抽出する手順は次のとおりです。
- コーヒー粉をポットに入れる
- お湯を注ぐ
- 蓋を被せて抽出する
- フィルターで濾(こ)していく
- 器具を洗う
ひとつひとつの手順について詳しく解説していきます。
コーヒー粉をポットに入れる
まず、コーヒー粉を最初にポットに入れます。好みにもよりますが、コーヒー粉の量は10g(ティースプーン2杯程度)だとちょうど良いです。
ポットはあらかじめお湯で温めておきましょう。
お湯を注ぐ
コーヒー粉を入れたら、ゆっくりとお湯を注いでいきます。お湯の量は160ml程度が目安です。計量器で正確に量りましょう。
お湯を注いだらスプーンで軽くかき混ぜ、コーヒー粉とお湯をしっかり馴染ませます。
蓋を被せて抽出する
お湯を注いだら、フレンチプレスのフィルターが上がっている状態であることを確認し、蓋を被せて抽出します。抽出時間の目安は2〜4分です。製品によって何分が良いかは多少異なるので、取扱説明書を確認してください。
フィルターで濾(こ)していく
抽出が完了したら、フレンチプレスのプランジャーをゆっくり押し、フィルターで濾(こ)していきます。後はコーヒーカップに注いで完成です。なお、ポットの底まで全部注いでしまうと、粉がカップに入ってしまうので注意しましょう。
器具を洗う
コーヒーを楽しんだ後は器具を洗う必要があります。フレンチプレスは洗うのが少し大変です。フィルターなどを外し、やわらかいスポンジに中性洗剤を染み込ませて洗います。
酸性・アルカリ性の洗剤だと、器具が傷む場合があるので中性を使いましょう。また、研磨剤のついたスポンジを使うのも、器具の破損に繋がるので注意が必要です。
汚れがひどい場合は、台所用漂白剤を薄めて使用しても良い製品もあります。
フレンチプレスでコーヒーをおいしく飲むポイント

最後に、フレンチプレスでコーヒーをおいしく飲むポイントを2つ紹介しましょう。
- 豆の挽き具合や焙煎度合いについてよく考える
- スイーツと合わせて楽しむ
豆の挽き具合や焙煎度合いについてよく考える
コーヒー豆は挽き具合によって味が変化します。粗く挽くとさっぱりした味になり、細かく挽くと濃厚で苦みが強くなります。
味の好みだけでなく器具に合わせることも大切です。ペーパードリップの場合は中細挽き〜中挽き程度、フレンチプレスの場合は中挽き〜粗挽き程度が推奨される場合が多いです。
使用する器具の取扱説明書に、推奨される豆の挽き具合が書かれている場合もあるので、確認しましょう。取扱説明書に合わせないと、フィルターが詰まってしまう恐れもあります。
コーヒー豆の焙煎度合いについては、好みに合わせて問題ありません。深炒りならコクや苦みを堪能できますし、浅炒りならさっぱりとした酸味を楽しめます。
スイーツと合わせて楽しむ
フレンチプレスで抽出する場合、コーヒーオイルが多く含まれます。オイルの多いコーヒーは乳製品を使ったスイーツとの相性が良いです。
たとえば、ショートケーキやタルトなどの洋菓子と合わせるのがおすすめです。
まとめ
本記事ではフレンチプレスについて解説しました。フレンチプレスでコーヒーを抽出する方法や必要な器具などがお分かりいただけたかと思います。
誰でも簡単においしいコーヒーを作れるのがフレンチプレスのメリットです。ドリップコーヒーと違って抽出する人の技術によって味が変わってしまうことがなく、毎日同じ味のコーヒーを楽しむことができます。
また、フレンチプレスでコーヒーを抽出するのに必要な器具もそこまで多くありません。フレンチプレス本体さえ購入すれば、後はスプーンやケトルなど多くの家庭にあるものが使えます。フレンチプレス本体は、素材や洗いやすさ、フィルターの枚数、容量などを確認したうえで、自分にとって使いやすい製品を選びましょう。
コーヒー豆に関しては中挽きから粗挽き程度がおすすめです。フレンチプレスの取扱説明書に、推奨される豆の挽き具合が書かれている場合もあるので確認しましょう。