コーヒー豆知識
カフェインレスコーヒーの効果は?メリット・デメリットや作り方を解説
カフェインの含有量が少ないことで知られているカフェインレスコーヒー(デカフェ)。
実際、その効果やメリット・デメリットにはどういったものがあるのでしょうか?
今回は「カフェインレスコーヒー」について詳しく解説していきたいと思います。
カフェインレスコーヒーとは?
カフェインレスコーヒーとは、“カフェインを90%以上取り除いたコーヒー”のことを指し、「デカフェ」とも呼ばれています。
カフェインには眠気覚まし、疲労回復、鎮痛効果、脂肪燃焼、筋肉増強、集中力向上といった覚醒作用があるものの、過剰摂取すると急性カフェイン中毒や健康被害をもたらすことがあります。またカフェインは胎児の成長にも影響することから、妊娠中のカフェイン摂取も制限することが推奨されています。
こういった中で重宝されているのが、カフェインレスコーヒーであり、欧米ではコーヒー市場の10%がカフェインレスコーヒーを飲んでいるというデータも出ています。
なお、よく混同されるものに「ノンカフェイン」「カフェインフリー」「カフェインゼロ」等がありますが、これは完全にカフェインを取り除いた商品であり、カフェインへの耐性が低い人や健康上の懸念がある人にとっては最適な選択肢です。
カフェインレスコーヒーはどうやって作られているの?
カフェインレスコーヒーは、主に以下の方法で作られています。
「水抽出法(ウォータープロセス)」は、コーヒー豆を水に浸し、カフェイン等の水溶性成分を除去する方法です。しかし、この方法では香りや味を形成する成分も同時に失われてしまい、コーヒー独特の苦味やコクが低下してしまうデメリットがありました。そのデメリットを解消するために開発されたのが「二酸化炭素抽出法」です。
「二酸化炭素抽出法」は、液体状にした二酸化炭素の性質を利用し、コーヒー豆のカフェインのみを除去する方法です。これによりコーヒー豆への負担が減り、水抽出法に比べてコーヒーの味が格段に改善されています。
カフェインレスコーヒーの効果は?
カフェインレスコーヒーは、カフェインを過剰摂取した際に起こる目まい・心拍数の上昇・下痢・吐き気等の症状を防ぎやすくなります。
またコーヒーの香りにはリラックス効果があり、コーヒーに含まれるポリフェノールには健康サポート効果が期待できます。これらの効果はカフェインレスコーヒーでも同様であり、むしろカフェインを気にせず、より気兼ねなくコーヒーを楽しめるのがカフェインレスコーヒーの特徴と言えます。
カフェインレスコーヒーのメリットは?
カフェインレスコーヒーのメリットは次のとおりです。
- 妊娠中でも影響が少ない
- 睡眠への影響が少ない
- 利尿作用を抑えることができる
妊娠中でも影響が少ない
胎児への影響が懸念される妊娠中でも、コーヒーを楽しめるようになります。
厚生労働省によると、妊娠した女性に対して1日当たりのカフェイン摂取量を200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めています。一見「コーヒー2杯までなら飲める」と錯覚しがちですが、普段食べているものにもカフェインが含まれている点には注意が必要です。
カフェインレスコーヒーであれば、カフェイン摂取量を抑えつつ、大好きなコーヒーを楽しむことができます。特に妊娠中や授乳中のママにとっても気兼ねなく飲めるという点において、大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
睡眠への影響が少ない
睡眠への影響が少ない点も、カフェインレスコーヒーのメリットです。
前述のとおり、カフェインには覚醒作用があり、摂取から約1時間で効果がピークとなり、3〜5時間掛けて効果が半減していきます。夕食後のリラックスタイムとしてコーヒーを楽しむ方もいるかと思いますが、それが入眠の妨げになったり、睡眠の質を下げる結果に繋がっていることはよくあるケースです。
その点、カフェインレスコーヒーはコーヒーの持つリラックス効果はそのまま、睡眠への影響が少なく、リラックスタイムのお供としては最適と言えるでしょう。
利尿作用を抑えることができる
カフェインレスコーヒーは、トイレの回数を減らす助けになるかもしれません。
カフェインには利尿作用があり、コーヒーを片手に長距離ドライブをしたり、映画を観たりすると無性にトイレに行きたくなるといった経験をされた方も多いと思います。
コーヒーは飲みたいが、好きなタイミングでトイレには行けない。そんな時にもカフェインレスコーヒーが一役買ってくれます。
カフェインレスコーヒーのデメリットは?
カフェインレスコーヒーのデメリットは次のとおりです。
- 値段が高い
- 飲み過ぎてしまいやすい
- 風味に物足りなさがある
値段が高い
カフェインレスコーヒーは、通常のコーヒー製品よりも値段が高めに設定されているケースがよくあります。
その理由としては普通のコーヒーよりも製造過程が多く、コストが掛かるためです。特にカフェイン除去のプロセスは手間がかかり、それが価格に反映されることが多いです。さらに通常のコーヒー製品に比べて、カフェインレスコーヒーは特定のブランドや商品が少なく、選択肢が限られる点もデメリットと言えます。
とはいえ、メリットも多い分、普通のコーヒーとは別にストックしておくのも良いかもしれません。
飲み過ぎてしまいやすい
カフェイン含有量が少ないことを理由に、つい飲み過ぎてしまいやすいコーヒーでもあります。
確かにカフェインレスコーヒーはカフェイン量が少ないものの、量を重ねれば多量のカフェインを摂取することになります。またコーヒーに含まれるポリフェノールも過剰摂取すると、一般的にミネラルの吸収を阻害してしまうと言われています。
カフェインレスだからといって過信は禁物。飲み過ぎには注意しましょう。
風味に物足りなさがある
カフェインレスコーヒーの中には、味や香りに物足りなさを感じるものもあります。
前述のとおり、これはカフェインを除去する過程で味や香りも抜けてしまうことが原因でした。ですが、その除去技術が向上した現在はカフェインレスコーヒーでも普通のコーヒーと味の違いを感じさせない商品もありますので、ぜひお気に入りの商品を探してみてください。
まとめ
今回はカフェインレスコーヒーについて解説しました。カフェインレスを今まで飲んだことがなかった人も、興味を持つきっかけになったのではないでしょうか?
カフェインが少ないというだけで意外にもメリットは多く、妊娠中の方が安心して飲めることはもちろん、就寝前のリラックスタイムなどにも重宝します。
ぜひこの機会にカフェインレスコーヒーを普段の生活に取り入れてみてください。