コーヒー豆知識
コーヒー器具・グッズおすすめセット6種類!初心者が揃える道具の名前
お店で買ってきたこだわりの焙煎豆を家で美味しく飲むために必要な器具とそれらを使った美味しいハンドドリップコーヒーの淹れ方をご紹介します。
1. コーヒーミル
コーヒーを豆から粉にするための機械です。大まかに分けて手動と電動の2タイプがあります。
毎日淹れる人や1日に何度もコーヒーを淹れたりするという人には電動のタイプがおすすめです。手動は思っている以上に手が疲れるとともに時間がかかります。電動ミルの値段は手動ミルと比べると少し高いのですが労力と時間を節約したいという方へはこちらをお勧めします。
手動ミルの使い方
使い方はシンプルで計量した豆をミルの上部から投入し、ハンドルを回すだけ。挽かれた豆は粉になってミルの下の部分に落ちてきます。引き出し状になっているものが多いです。
電動でもいえることですが、豆を計量するときはコーヒー豆用の計量カップなどではなく、キッチンスケールなどでグラム単位で量りましょう。計量カップだと豆の大きさなどによってグラムにばらつきが出てしまいます。
豆の粗さを変えたいときはハンドルについているネジを外して分解して行います。ここも手動ミルは少し手間のかかるところですね。
電動ミルの使い方
こちらもキッチンスケールなどで量ってあげた豆を上部の投入口から入れます。あとはスイッチを押せば、高速で歯が回転して10秒足らずで挽かれた豆がミルの下部に溜まります。ちなみに電動ミルには安全面を考慮してフタがしっかり閉まっていないと作動しないようになっているものが多くあります。
豆の粗さの調整も簡単で、ダイヤルを回すだけで出来ます。楽に早く豆を挽くことが出来るのが電動ミルの良いところです。欠点は刃が高速回転するため摩擦で粉が熱を持ってしまうということです。これによりわずかにコーヒーの風味が飛んでしまうといわれています。
2. ドリッパー
ペーパーフィルターとともにコーヒーの粉をセットして使います。このドリッパーの中でコーヒーとお湯が触れあって抽出が行われます。
ドリッパーには様々な形状、材質のものがあります。最近は熱効率がよく、ペーパーフィルターなしで何度でも使える純金製のドリッパーなども発売されています。ここでは代表的な3つの形状のドリッパーを紹介します。
3つ穴台形型
ドリッパーを横から見たときに台形の形をしたものがこちらです。底に小さい穴が3つ開いています。後ほど紹介する円錐型との抽出上の違いは、台形のドリッパーのほうが円錐型よりもお湯の滞留時間が長いところです。滞留時間が長いためお湯と粉がしっかり触れあい濃いコーヒーができやすくなります。
また、これからドリップを始めようとしている方にお勧めなのがこのタイプのドリッパーなのですが、その理由は底に開いた3つの小さい穴にあります。ハンドドリップ初心者の方ですとどうしてもお湯を均等に注ぐことが難しく感じられると思いますが、この3つ穴だと均等に注げているかのチェックが出来るのです。
お湯がどこかに偏って注がれていると3つあるうちの2つからしかお湯が出ていないということがあります。3つの穴から均等にコーヒーが落ちるようになれば上達も感じられますよ。
1つ穴台形型
こちらも台形型でお湯が滞留しやすいという点は3つ穴台形型のドリッパーと同じです。しかしこちらは1つ穴で、3つ穴よりもゆっくりとコーヒーが落ちるため、濃いコーヒーができやすいです。抽出時間を長くとりやすいためお湯を一気に注いでも薄くなりにくいというのが利点です。
コーヒーの抽出にはお湯をコーヒーの粉に通過させる透過式とコーヒーの粉をお湯に一定時間浸して抽出させる浸漬式に大別されます。
透過式の代表はハンドドリップ、浸漬式の代表はサイフォンやフレンチプレスなどですね。こちらの1つ穴台形型のドリッパーはコーヒー豆をお湯に浸しながらゆっくりと抽出していくので両者の中間タイプと言えそうです。
1つ穴円錐型
横から見ると逆さまにした円錐の形をしているのがこのタイプのドリッパーです。穴の大きさは上記の二つより大きいものになっています。円錐という形、大きな穴、この2点により抽出スピードは速くなります。
利点としてはお湯の注ぎ方ひとつで抽出スピードが調整しやすいため、出したいコーヒーの味がイメージ出来ている上級者にとってはその腕を反映させやすくなっています。
濃厚で苦味を利かせたコーヒーも、さっぱりとごくごく飲めるコーヒーも腕次第なのがこのドリッパーです。経験を積んでゆっくりと細くお湯を注ぐことに慣れてきてからこちらのドリッパーに挑戦してはいかがでしょうか。
3. ペーパーフィルター
ドリッパーとともにペーパードリップに不可欠な道具の一つです。ドリッパーに上からかぶせ、さらにその上にコーヒーの粉を乗せて使います。
先述した台形型、円錐型それぞれのドリッパーに対応した形のものがあるので購入するときは自分の持っているドリッパーのタイプに対応したものを購入しましょう。
また、ドリッパーもそうなのですが、1~2杯用、2~4杯用などサイズの違いがあるのでその点も注意してください。
使い方
まずフィルターのつなぎ目(糸の縫い目にみえるような部分)に沿って折り目をつけましょう。台形型なら側面と底の部分の2か所、円錐型なら側面の1か所に折るところがあります。そしてドリッパーにセットし、その上から粉をやさしく乗せます。抽出前に指でドリッパーを軽くたたいて粉を平らに均してあげましょう。
ペーパーフィルターの匂い
ペーパーフィルターには製品によっては匂いの強いものがあります。お湯をかけるとその匂いがより感じやすくなると思います。このフィルターの匂いがコーヒーにも移ってしまうことがあります。
匂いの強いタイプのフィルターを使うときはサーバーに湯通しするときに一緒にお湯をかけて匂いを洗い流しましょう。これを「リンスする」と言います。
また、ペーパーフィルターは匂いを吸着しやすいので可能であれば密閉容器に入れて保存しておくことをおすすめします。
抽出が終わったらコーヒーの粉と一緒に捨ててしまえるので後片付けが楽なところもペーパーフィルターのいいところですね。ネルフィルターなどではカビが生えないように水に浸けて冷蔵庫で保存しなければいけないなど結構手間がかかります。
4. コーヒーサーバー
ドリッパーを通って抽出されたコーヒーを受ける容器です。一杯だけコーヒーを淹れるというときにはカップで直接受けることもできるので絶対に必要というわけではないのですが、美味しいコーヒーを淹れたい、自宅でのコーヒーライフを充実させたいという方はあると便利です。
選び方ですが、まずは目盛りのついたものを選びましょう。美味しいコーヒーを淹れるには豆の量、挽き目、お湯の温度などと同じように抽出量も大事な要素の一つだからです。
また、お持ちのドリッパーに対応したサイズのものを選びましょう。大きいサーバーに小さいドリッパーをセットするとしっかりはまらなくて不安定になってしまいます。もちろんその逆もまた然り、です。
コーヒーサーバーの便利なところ
さて、サーバーを持っているとどういった役に立つのでしょうか。まずは一度に大量に抽出することができるという点でしょう。休日の家族のコーヒータイムに4~5杯分一度に淹れたいという方には便利です。
また一人で飲むときにもサーバーに複数杯分コーヒーを貯めておいて温め直して2杯、3杯と飲むことが出来ます。淹れ立てより風味は落ちてしまいますがお仕事のお供として活躍するでしょう。
そして、サーバーがあればアイスコーヒーも美味しく作ることが出来ます。作り方は簡単です。サーバーにコーヒーを濃い目に抽出し、そこに氷をたっぷり入れて粗熱をとります。そしてあらかじめ氷を入れておいたグラスに注げば家でも美味しいアイスコーヒーを楽しむことが出来ます。
淹れ立てのコーヒーに直接氷を入れてもあまり冷たくならないうえ、せっかくのコーヒーも薄まってしまいますがサーバーを使って作ればこの二つを解消できます。
ビーカータイプもおすすめ
そして厳密にはサーバーとはいえないかもしれませんが、ビーカータイプの容器もおすすめです。特徴は通常のコーヒーサーバーとは違い円筒型をしているところです。この形状のため洗浄がとても簡単に行えます。
また、抽出したコーヒーにシロップなどの副材料を入れたときに混ぜやすく、アレンジコーヒーを作るときに便利なのも良いところです。
欠点は通常のサーバーのようにどっしりした台形型ではないので安定性に欠けるところです。多めに抽出してデスクに置いておくといった使い方には不向きだといえます。
一度に大量に淹れるときは台形型のサーバーを、一杯ずつ丁寧に淹れたりアレンジコーヒーを楽しみたいというときはビーカータイプを使うなどシーンによって使い分けてもいいでしょう。
5. ドリップポット
コーヒーを淹れる人の腕そのものとなるツールです。お湯の量や太さ、スピードをこれ一つでコントロールします。ただコーヒーを淹れるだけ、味には全くこだわらないというのであれば普通のヤカンでもいいのですが、思う通りの味を目指したいという方は選びに選んだ自分好みのドリップポットを買いましょう。
ここでは注ぎやすさに直結する注ぎ口にポイントを絞って選び方を紹介いたします。
注ぎ口
初心者の方は細く注ぐことが難しく感じられると思うので細い注ぎ口のものをお勧めします。
しかし、慣れてくると細くばかりではなく太く注ぎたいというシーンにも出会うことがあります。深煎りのコーヒーをスッキリとした味に仕上げたいときなどです。慣れてきたらある程度の太さがあって注ぎ量に幅がつけられるものに買い替えるというのも手だと思います。
また、注目してもらいたいのが注ぎ口の根元の方、ポットのボディとの接続部分です。ここが太くなっていて注ぎ口に向かって細くなっていくというポットはお湯の太さの微調整がしやすくとても使いやすいです。
6. 温度計
これまで家で淹れるコーヒーにそれほどこだわっていなかった人の中にはお湯が沸騰したらすぐに注いでいたという人も多いでしょう。本格的にコーヒーを淹れようと思ったら抽出に使う温度は重要です。調理用の温度計を買いましょう。できれば0.1℃単位で計測できるものがいいです。
ではお湯の温度は抽出の際にどのような影響を及ぼすのでしょうか。ざっくりと言ってしまうと温度が高ければコーヒーの味が濃くなり、低ければ薄くなります。特に湯温が高いと苦み成分が多く抽出され、低ければ酸味の成分が多く抽出されます。
基本的には85~90℃ぐらいでの抽出がお勧めですが、絶対的な正解の温度というものはありません。ドリップに慣れてきたらいろいろな温度で抽出してみて好みの味を目指してみましょう。
実際に使うときは一度沸かしたお湯に温度計を挿して目標の湯温まで下がるのを待つようにして使います。一度お湯を沸騰させてカルキ臭を飛ばすためです。
また、ポット自体に温度計が付属されているものや湯温それ自体を設定できる電気ケトルタイプのドリップポットもあります。少し価格は高くなりますが繊細な湯温の調整が簡単にできるので便利なアイテムです。
自宅でおいしいコーヒーを淹れる方法5ステップ
ここからは紹介してきた器具を使ってご自宅でハンドドリップのコーヒーを淹れる方法を紹介します。
①器具・材料の準備
・コーヒー豆20グラム
・ミル
・ドリップポット
・温度計
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
・サーバー
・カップ
・ストップウォッチ(秒針のある時計でもOK)
②お湯を沸かし、豆を挽く
まずはお湯を沸かします。その間にミルでコーヒー豆を挽いておきましょう。
③お湯を冷まし、粉をドリッパーにセット
お湯が沸騰したら温度計をポットに入れ85℃ぐらいに下がるまで待ちます。お湯を冷ましている間にサーバー、ドリッパー、ペーパーフィルター、粉をセットします。
このとき、サーバーとドリッパー、カップに沸かしたお湯を通して温めておきましょう。
④抽出開始
いよいよ抽出です。2分半~3分ぐらいかけてカップ2杯分の240ccを淹れます。全部で3回に分けてお湯を注いでいきます。
〇1回目(蒸らし)
粉の中央から外側に向かって円を描きながら注いでいきます。注ぎ始めると同時にストップウォッチをスタートさせます。まずは粉全体を均等に湿らせるイメージで。サーバーに2、3滴お湯が落ちるぐらいになれば理想的です。注ぎ終えたら30秒待ちます。
〇2回目
同じく真ん中に細く注ぎ、外側に向かって円を描いていきます。ドリッパーの縁から1cmぐらいのところまで到達したらまた中央に向かって円を描きつつ戻っていきます。ペーパーフィルターにはお湯がかからないようにしましょう。
〇3回目
膨らんだコーヒーの粉が沈み切らないうちに3回目を注ぎます。注ぎ方は2回目と全く同じです。注ぎ終えたらサーバーに240ccのコーヒーが落ちるのを待ちます。もし足らないな、と思ったら少しだけお湯を足します。
⑤攪拌してカップへそそぐ
規定の量のコーヒーが落ちたらドリッパーを外します。サーバーに落ちたコーヒーは上と下で濃度が違うのでサーバーをゆすって混ぜてあげてからカップに注ぎましょう。
まとめ
これからご自宅でコーヒーを淹れたいという方に向けて様々な器具を紹介いたしました。それぞれの器具でいろいろな種類がありますが、自分に合った道具を迷いながら探していくのもコーヒーの楽しみの一つだと思います。
機能面ももちろんですが、お店で実際に手に取って自分の手に馴染むもの、気に入ったデザインのものを選んで長くコーヒーを楽しんでください。
UCCが販売するドリップポッドでは、すぐ簡単においしいドリップコーヒーを飲むことができますので、そちらもぜひお試しください。