コーヒー豆知識
コーヒー豆のモカとは?味の特徴や産地、カフェモカとの違いを解説
世界最古のコーヒー豆と言われているモカ。世界的にコーヒー愛好家の間で支持されてきたコーヒー豆ですが、具体的にどういったコーヒーなのか?
この記事では、モカの由来や味の特徴をはじめ、カフェモカとの違い、モカのおいしい淹れ方やアレンジレシピを紹介していきたいと思います。
モカはどんなコーヒー豆?
モカは、イエメンとエチオピアを産地に持つ、アラビカ種のコーヒー豆です。
モカ(Mocha)という名前は、イエメンの「モカ港」に由来してます。この港はかつてコーヒーの貿易拠点として栄え、16世紀〜18世紀にかけてイエメン産とエチオピア産のコーヒー豆を世界中に輸出していました。これらコーヒー豆の総称としてモカが使われ、現代においてもその名前が継承されています。
味の特徴は?
モカはその独特の風味で知られており、果実のような酸味と甘味、コクが特徴です。
世界で最も古いコーヒー豆の銘柄とも言われており、その爽やかな酸味がモカの最大の特徴と感じる方もいるそうです。ワインを思わせるような風味に加え、苦味とバランスの取れたコクも持ち合わせているため、複雑で香り豊かな味わいが楽しめます。
また焙煎度合いや抽出方法によっても、モカの風味は異なります。浅炒りの場合は酸味と甘い香りが強調され、深炒りだと芳ばしい香りとコクが強く感じられるようになります。
産地・種類・ブランドは?
モカの産地は、イエメン産とエチオピア産の2種類。イエメン産、エチオピア産ともに原種が同じであるため風味は似ているものの、コーヒー豆の形状は異なります。イエメン産は楕円形で小粒、エチオピア産は細長い形が多いと言われています。
それぞれコーヒー豆の収穫地域が銘柄名に使用されており、イエメン産で有名なのが『モカマタリ』。モカマタリは標高の高い地域にあり、世界的にも特に古いコーヒー生産地の1つ。味は独特の酸味と甘い香りを持ち、苦味も少なくすっきりとした口当たりから日本でも人気があります。
エチオピア産では『モカシダモ』『モカハラー』『モカアビシニア』『モカイルガチェフェ』などの銘柄豆が有名。この中でもモカイルガチェフェは世界的な人気があり、酸味と甘い香りが強く、特にスペシャルティコーヒーとして高い評価を受けています。
カフェモカとの違いは?
似た名前を持つ飲み物に『カフェモカ』がありますが、コーヒー豆のモカとは異なるものです。
モカはイエメン産やエチオピア産のコーヒー豆を指し、その豆から抽出したコーヒーをモカコーヒーと言います。対して、カフェモカはエスプレッソに牛乳やチョコレートソースを加えたコーヒー飲料のこと。
要するに、モカはコーヒー豆に関するものであり、カフェモカはコーヒー飲料の一種になります。
モカのコーヒー豆の選び方
モカのコーヒー豆を選ぶ際は、下記3点を参考に選ぶのがおすすめです。
産地
前述のとおり、モカはイエメンとエチオピアが主要産地です。
コーヒー愛好家の間ではエチオピア産に人気がありますが、酸味が苦手な方はイエメン産がおすすめです。
精製方法
ウォッシュド(水洗式)、パルプド・ナチュラル(ハニープロセス)、ナチュラル(非水洗式)といったコーヒー豆の精製方法でも風味が異なります。
それぞれ味の特徴としては、次のとおり。ウォッシュドは、すっきりとした透明感のある味わい。パルプド・ナチュラルは、ウォッシュドとナチュラルの中間のような味わい。ナチュラルは甘い香りが強く、フルーティーな味わいといわれています。
焙煎度合い
他のコーヒー豆と同様、モカも焙煎度合いによって風味が異なります。
モカにおいては一般的に、浅炒りがモカ特有の酸味と甘い香りが際立ち、コーヒーが果実であることを感じられる味わい。中炒りは酸味が少し抑えられ、甘い香りとコクのバランスが取れた味わい。深炒りは酸味が抑えられ、濃厚でコクのある味わいです。
モカのおいしい淹れ方
ここでは最もポピュラーなドリップ式の抽出方法での「モカのおいしい淹れ方」を紹介していきます。
用意するもの
- モカのコーヒー粉(中細挽き)※1杯分あたり10~12g
- お湯 注ぐのは1杯分あたり160ml程度(カップの温めなどにも使うので多めに用意)
- ドリッパー
- ペーパーフィルター
- コーヒーカップ
淹れ方の手順
- 各種器具とコーヒーカップをあらかじめ湯煎して温めておきます。
- ドリッパーにフィルターをセット、モカのコーヒー粉を1杯入れます。(粉は平らになるように)
- 粉の表面にそっと少量のお湯(92〜96℃)を注ぎ、20秒ほど蒸らします。
- 中心から小さく円を描くように、数回に分けて1杯分あたり160ml程度のお湯を注いでいきます。
- 注いだお湯がドリッパーに落ちきったら、カップへ注いでモカコーヒーのできあがり。
モカのアレンジレシピ「オレンジコーヒー」
明るくフルーティーな味わいが特長のモカ&キリマンジァロをベースに、ジューシーな完熟オレンジを合わせることで爽やかな口当たりの「オレンジコーヒー」が作れます。
材料 |
量 |
モカ&キリマンジァロ |
70ml |
ガムシロップ |
18ml |
オレンジスライス |
2切れ |
氷(トッピング用) |
適量 |
ミント |
適量 |
【作り方】
- グラスにガムシロップとオレンジスライスを入れ、オレンジを潰して馴染ませます。
- (1)に氷を入れ、湯量を”1”にしてコーヒーを抽出します。
- ミントを飾って完成。
モカはコーヒー愛好家の間で人気
今回はコーヒー豆「モカ」について解説しました。
モカはコーヒー愛好家の間で人気があり、特にモカならではの酸味や甘い香りを楽しむために、ブラックで飲用することが好まれています。
一方で、その独特な酸味が得意でないと感じる方も多い模様。とはいえ、モカは産地・精製方法・焙煎度合いによって味が異なります。実際、モカのコーヒーが苦手だという方から、「強い酸味が苦手だったが、モカマタリはおいしかった」といった声も見られます。
モカは歴史のある奥深いコーヒーです。苦手意識がある方も、様々な味わいを試してみることで、自分好みのモカに出会える可能性があります。これを機にぜひ再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。