コーヒー豆知識
コーヒーで水分補給はできる?注意点やコーヒーのメリットを解説!
「喉が渇いているときにコーヒーを飲んでも大丈夫?」
「コーヒーで水分補給ができるのか分からない」
このような悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
本記事ではコーヒーで水分補給ができるのかについて解説します。水分補給を行うポイントや、コーヒーで水分補給を行う際の注意点についてまとめました。
本記事を読むことでコーヒーを安心して楽しめるようになります。コーヒーと水分補給の関係について詳しく知りたい方はぜひお読みください。
コーヒーが水分補給にならないと言われることもある理由

コーヒーは水分補給にはならないと言われることもありますが、その理由として多いのは恐らく、「コーヒーに含まれるカフェインの利尿作用」です。
利尿作用とは排尿を促進させる働きを指します。排尿を促進させることで、体内に溜まった余分な塩分を水分と一緒に排出することができます。ただ、利尿作用が強いと多くの水が身体の外に出てしまい、脱水状態になる可能性があります。
このことから、「喉が渇いたときにコーヒーを飲んで良いのか分からない」という疑問を持つ方が多いと推測されます。
コーヒーは基本的には水分補給になるが取りすぎに注意

コーヒーが水分補給になるかどうかは様々な意見がありますが、「コーヒーと健康」の資料によると、Killerらの研究で、「水分補給においてコーヒー摂取は水の摂取と同等」であることが示されています。コーヒーも水も、身体の水分量に変化を及ぼさないとのことです。
コーヒーには確かに利尿作用がありますが、そもそもコーヒーの98%は水分です(作り方によって水分量は多少変わります)。そのため、利尿作用が働いたとしても、それ以上に多くの水分を補給しており、脱水状態になる可能性は低いと言えます。
カフェインが含まれていない水や清涼飲料水の方が、水分補給として効率的である可能性はゼロではないものの、脱水を気にしてコーヒーを飲むことを我慢する必要もないでしょう。
問題はコーヒーを飲みすぎると、カフェインの過剰摂取に繋がってしまうことです。カフェインの過剰摂取は健康に被害を及ぼす可能性もあります。水分補給になるからといってコーヒーを1日に何杯も飲むということは避けた方が良いです。
参考:コーヒーと健康
水分補給を行うポイント

人間の身体はおよそ60%が水分(体液)でできています(成人男性の場合)。身体の中の水分が不足してしまうと、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞などに繋がる恐れもあります。そのため、汗を多くかく夏場や運動を行っている最中は水分補給は非常に重要です。
また、単に水を飲むのではなく、以下のポイントに気をつけることをおすすめします。
- 1日に1.2L程度の水分を飲み物から摂る
- こまめに水分補給を行う
- 汗をかいたら塩分補給も併せて行う
ひとつひとつのポイントについて詳しく解説していきます。
1日に1.2L程度の水分を飲み物から摂る
1日に1.2L程度の水分を飲み物から摂ることをおすすめします。人間は1日におよそ2.5Lの水分が失われます。食べ物にも水分は含まれていますし、体内で生成される水も0.3L程度あるのですが、飲み物だけで最低でも1.2Lは取りたいです。もちろん、運動して汗を大量にかいた場合は、更に多くの水分補給が必要です。
1日の水分補給量が少ないと、脱水状態になってしまう恐れがあります。
こまめに水分補給を行う
水分補給はできるだけこまめに行うようにしましょう。一度に飲むよりも分けて飲む方が吸収が良く、身体の中の水分量が一定を保つため、脱水状態になりにくくなります。
こまめに水分補給を行うには習慣づけが大切です。たとえば、朝起きたらコップ1杯の水を飲む、食事中は必ず水を飲む、学校・会社から帰宅して手洗いをするときに水を飲む、といったように生活に水分補給を組み込むことが大切です。
特に起床時は身体の水分が減ってしまっているので、忘れずに水を飲むようにしましょう。
汗をかいたら塩分補給も併せて行う
運動中や夏の暑い時期に長時間外を歩いている間は、塩分補給も併せて行うことが大切です。汗をかくと身体の塩分も一緒に失われてしまうためです。
昨今は減塩が身体に良いとされることもあります。確かに塩分を取りすぎると血圧が上がってしまい、心臓や腎臓に負担がかかり脳卒中や心臓病などのリスクを高めてしまいます。
ただ、塩分を摂らなすぎるのも良くありません。体内に塩分が少ないと疲労感や立ち眩みが起きる場合もあります。
汗をかいたらスポーツドリンクや塩飴などで塩分補給を行いましょう。
コーヒーは飲む量やタイミングに気をつけることが大事

コーヒーを飲むことは基本的には水分補給になりますが、いくつか注意すべき点があります。コーヒーを飲む際に気をつけるべきことは次の4つです。
- カフェインの過剰摂取に気をつける
- 砂糖・ミルクを入れるならカロリーに気をつける
- 寝る前に飲むと眠れなくなる恐れがある
- お酒と一緒に摂取するときは気をつける
これらに気をつけないと健康被害を及ぼす可能性もあります。ひとつひとつの注意点について詳しく解説していきましょう。
カフェインの過剰摂取に気をつける
カフェインの過剰摂取には気をつけることが大切です。カフェインを取りすぎると人によっては、心拍数が増加したり、不安な気持ちになったり、吐き気をもたらしたりします。
カフェインはどの程度取って良いかは個人差があります。また、カフェインのメリット・デメリットについてはまだ研究段階であり、さまざまな意見が飛び交っています。
ただ、カナダ保健省は2010年に「健康な成人は1日最大400mg/日まで」と注意喚起しています。コーヒーの種類や抽出方法によって差はありますが、1杯(140ml)にはだいたい90mgのカフェインが含まれます。そのため、コーヒーは1日4杯程度に抑えるのが無難です。
砂糖・ミルクを入れるならカロリーに気をつける
コーヒーに砂糖・ミルクを入れるならカロリーに気をつけましょう。無糖のコーヒー(浸出液)は100gあたり4kcalと非常に低いですが、砂糖やミルクを入れると糖質や脂質が増えてしまいます。
参考:食品成分データベース
砂糖・ミルクを大量に入れてしまうと、肥満に繋がる恐れもあります。カロリーが気になる方は、コーヒーをブラックで飲むことも考えましょう。
また、缶コーヒーの場合製品によっては砂糖・ミルクが多く入っている場合もあるので、砂糖・ミルクの量を確認したうえで購入することも大切です。
寝る前に飲むと眠れなくなる恐れがある
コーヒーを就寝前に飲むと入眠時間が長くなり、眠りが浅くなることが分かっています。カフェインの覚醒作用によって、眠りを妨げてしまいます。
覚醒作用が何時間続くかは人によりますが、一般的にはカフェインの半減期は4時間とされています。そのため、就寝4時間前からはコーヒーを摂取しないことをおすすめします。
また、カフェインには利尿作用もありますので、寝る時に何度もトイレに行きたくなってしまう可能性もあります。
寝る時にコーヒーを飲みたくなった場合には、カフェインレスコーヒーがおすすめです。カフェインレスでもコーヒーのコクや香りを楽しむことができます。
お酒と一緒に摂取するときは気をつける
コーヒーとお酒を混ぜたコーヒーカクテルというものもあります。組み合わせによって味や香りの変化を楽しめるのがコーヒーカクテルの魅力です。
ただ、コーヒーとお酒を一緒に摂取するときは気をつける必要があります。
米国疾病予防管理センター(CDC)は、カフェインがアルコールによる機能低下を隠し、お酒をそのまま飲むより酔いにくくなるため、飲酒量が増える恐れがあると指摘しています。
参考:Effects of Mixing Alcohol and Caffein
コーヒーカクテルを飲むときは、あまり酔わなくても普段と同じアルコール量に抑えましょう。
コーヒーを飲むことにはメリットも多くある

ここまでコーヒーを飲んで水分補給することの注意点を挙げましたが、コーヒーにはデメリットだけでなくメリットも多くあります。
コーヒーを飲むことのメリットは次の2つです。
飲み過ぎは良くありませんが、適度に飲むならむしろ健康効果をもたらしたり、生活においてプラスに働いたりする可能性もあります。
ひとつひとつのコーヒーのメリットについて詳しく解説していきましょう。
集中力を高められる
カフェインには集中力や注意力を高める効果があります。大事なプレゼンがある前や、ミスをしてはいけない確認作業をする前に飲むことは、上手いコーヒーの使い方と言えます。
また、勉強や仕事だけでなく、運動のパフォーマンスも向上することが研究で明らかにされています。2004年までカフェインはドーピング禁止薬物に指定されていました。
注意点は、カフェインを摂取しても効果が現れるのは30分後くらいからということです。コーヒーを飲んですぐ集中できるようになるわけではありません。
また、カフェインを多く取っても効果が強まるとは限らない点にも注意が必要です。過剰摂取は不安が強くなるなどの悪影響が出て、集中力がむしろ下がる恐れもあります。
リラックスできるリラックスできる
コーヒーにはリラックス効果もあります。コーヒーの香りを嗅ぐと脳から出るα波が増加し、リラックスできるようになります。
また、カフェインには血管拡張作用があり、頭痛を解消してくれます。更に、カフェインは神経や筋肉を刺激し、疲れを癒す効果もあります。
仕事の疲れが溜まったときやストレスを感じることがあったときは、コーヒーを飲んでリラックスするのもおすすめです。
まとめ
本記事ではコーヒーで水分補給することについて解説しました。
コーヒーは約98%が水分であるため、十分に水分補給になる飲み物です。コーヒーのカフェインには利尿作用がありますが、そこまで気にしすぎる必要はないと言えます。
ただし、コーヒーを飲みすぎると、カフェインの過剰摂取によって体調が悪くなったり、夜眠れなくなったりする恐れもあるので注意が必要です。
コーヒーは適度に飲めば、集中力をアップさせられたりさまざまなメリットがあります。その人のカフェイン耐性にもよりますが、1日3〜4杯程度のコーヒーなら問題ないケースが多いです。