コーヒー豆知識
コーヒー抽出器具11種類の名前・特徴・使い方
「プレミアムな一杯が飲みたい」そんな時はコーヒー豆の香りをより一層引き立ててくれる、抽出器具にこだわってみるのもおすすめです。
ライフスタイルやお好みに合わせた抽出方法を知って、最高に美味しい一杯にめぐり会ってみてください。
コーヒー抽出器具を1つずつ紹介します。
1. ペーパードリップの特徴・使い方
ペーパードリップはポピュラーな抽出方法です。ドリッパーにペーパーフィルターをセットし、上からお湯を注いでサーバー内にコーヒーを抽出していきます。
・正統派の味わい
・使い捨てなので、お手入れが簡単
ペーパードリップの特徴は、家庭で簡単に喫茶店風のコーヒーが淹れられること。少しずつお湯を足しながら抽出していくので、コーヒーのほろ苦い香りも同時に楽しむことができます。また使用したペーパーフィルターは、そのままごみ箱に捨てられるので衛生的です。
使い方
1人分の粉の目安は12g、140ccの水を使います。ペーパードリップと相性のよい、キメの細やかな中細挽きがおすすめです。
・フィルターの底と側面の縫い目部分を、外側と内側に折っておきます。
・ドリッパーにペーパーフィルターを敷き、サーバーにセットします。
・フィルターにコーヒー粉を入れます。
・少量のお湯を上から注ぎ、20秒くらい蒸らします。
・小さな「の」の字を描くイメージで、真上からお湯を注ぎます。
・温めたカップに注ぎ、完成です。
※美味しく淹れるポイントは「蒸らし」です。丁寧に蒸らしをおこなうと、コーヒー豆に含まれるガスが放出され、お湯がなじみやすくなり、コクのあるコーヒーを淹れやすくなります。
2. ネルドリップ(布ドリップ)の特徴・使い方
18世紀のフランスで生まれたのが、ネルドリップです。ネルフィルターという布製のフィルターを用いて抽出していきます。
・マイルドな口当たり
・上級者におすすめ
ネルドリップは肌ざわりのよいフランネル素材のフィルターに、お湯を入れて抽出していきます。柔らかい繊維が雑味を受けとめてくれるので、舌あたりの良い滑らかなコーヒーが淹れられます。使ったあとのネルは粉を取り煮沸する必要があるため、中級者から上級者におすすめの抽出方法です。
使い方
1人分のコーヒー粉の目安は、およそ13gです。ゆっくり時間をかけて淹れるので、粒のあらい粗挽きタイプがおすすめです。
・ネルにお湯をかけ、乾いたクロスで水気をふき取っておきます。ネルのしわを伸ばし、専用のサーバーにセットします。
・ネルに粉を入れ、少量のお湯を入れて20秒ほど蒸らします。
・渦を描くように静かにお湯を入れ、抽出します。
・温めたカップに入れて、できあがりです。
※新しいネル(布)をおろす場合は、事前にコーヒーを入れた鍋で20分ほど煮ておきます。繊維に付いた糊がおち、ろ過しやすくなります。
3. ステンレスフィルター(金属フィルター)の特徴・使い方
ステンレスフィルターは、金属のフィルターを用いてドリップをおこないます。
・キレのある味わい
・スピーディに抽出できる
・繰り返し使える
紙や布に比べて、コーヒーオイルがフィルターに残りにくいので、コーヒー本来の強い味わいを堪能できます。ドリップにかかる時間が短いので、忙しい方にもおすすめです。メッシュ状のフィルターは、洗えば何度でも使うことができ経済的です。
使い方
1人分の目安はおよそ13gです。中挽きもしくは粗挽きのコーヒー粉を使っていきます。
・サーバーにドリッパーを置き、ステンレスフィルターをセットします。
・フィルターにコーヒー粉を入れ、お湯を入れて30秒くらい蒸らします。
・「の」の字を描くイメージで、中央から外側にお湯を入れていきます。
・コーヒーがサーバーに落ち切ったら、できあがりです。
※使ったあとの金属フィルターは、粉をはらい水洗いします。網目が傷ついてしまう恐れがあるので、タワシの使用は控えておくのがおすすめです。
4. フレンチプレスの特徴・使い方
お洒落なカフェで、よく見かけるのがフレンチプレスです。プランジャーポットと呼ばれ、日本では紅茶を淹れるための器具として親しまれています。
・シャープな味わい
・ポットとして利用できる
フレンチプレスはつまみを引き下げた圧力によって、旨味や香りを引き出していきます。金属フィルターを通すので、鮮度のよいコーヒー豆の風味を丸ごと感じられます。
また抽出したあとは、蓋付きのポットとしてテーブルに置くこともできます。抽出の道具とポットが一体になった、とてもシンプルな淹れ方です。
使い方
1人分の目安は12g、水は160ccです。金属フィルターを通すため、粒の大きい粗挽きタイプがおすすめです。
・フレンチプレスにお湯をはり、容器を温めておきます。
・湯を捨てたフレンチプレスに、コーヒー粉を入れます。
・再びお湯を入れ、柄の長いスプーンで軽くかき混ぜます。
・蓋をしめて、約4分待ちます。
・つまみを下げてコーヒーカップに注ぎ、できあがりです。
※フレンチプレスの油分が気になる時は、抽出時間を1分ほど早めて調整を。ザラつきが緩和されて、飲みやすい味わいになります。
5. エアロプレスの特徴・使い方
最短でコクのあるコーヒーと出会えるのがエアロプレス。空気の圧力を利用しているので、短時間でしっかりしたボディのコーヒーを淹れられます。
・キレのある味わい
・待たずに、すぐ飲める
エアロプレスは海外で開発された、新しい抽出方法です。難しい技術が必要ないので、いつでも安定した味わいを楽しめます。抽出時間がとても短いので、慌ただしい朝にもおすすめです。
使い方
1人分の目安はおよそ12g、水は160ccです。甘さと酸味のバランスが良い、中粗挽きがおすすめです。
・エアロプレス一式を、お湯で温めておきます。
・チャンパーとプランジャーを組み立てて、コーヒー粉を入れます。
・ゆっくりお湯を注いでいき、粉と湯をなじませていきます。
・パドルを入れて、手早く攪拌します。
・フィルターを取り付け、蓋を閉めて1分おきます。
・カップの上にプレスして、できあがりです。
※プレスする時は時間をかけず、一気に押し出すのがコツです。押し切るように力強くプレスすると、最後の1滴まで美味しく飲めます。
6. サイフォンの特徴・使い方
自宅で喫茶店気分を味わえるのが、本格的なサイフォンです。
・まろやかな口当たり
・「手作り」を楽しめる
サイフォンは蒸気の力を利用して、コーヒーを抽出していきます。時間をかけて抽出するので、マイルドな口当たりのコーヒーが楽しめます。ビームヒーターやフラスコなど、特別な器具を用意する必要がありますが、コーヒーが出来上がる過程が目でも楽しめ、演出効果が高いので、とても人気があります。
使い方
1人分の目安はおよそ15g、水は160ccです。扱いやすい中挽きがおすすめです。
・フラスコにお湯を入れ、ビームヒーターにかけます。
・温めたロートにフィルターをセットし、留め金をかけます。
・ボールチェーンをお湯に沈めて、お湯が沸騰したらロートを差し込みます。
(※フラスコを火にかけたままでいきなりロートを差し込むと、突沸(湯が吹き出す)することもあるので注意しましょう。)
・柄の長いスプーンでロート内を混ぜ、弱火にして40秒くらい待ちます。
・ビームヒーターの火を消し、もう1度ロート内を混ぜたらできあがりです。
※サイフォンは抽出する時の火加減と、時間で味が大きく変わります。強火で1分以上抽出すると、苦みやエグみが出やすくなります。火加減は弱火、抽出時間は1分以下に抑えてあげると、さっぱりした味わいのコーヒーになります。
7. ウォータードリップ(水出しコーヒー)の特徴・使い方
暖かい季節に試したいのが、ひんやり爽やかなウォータードリップです。コールドブリューとも呼ばれ、時間をかけてゆっくり味を引き出していきます。
・透明感のある、爽やかな味わい
・専門店のアイスコーヒーが作れる
ウォータードリップは、水を1滴ずつ垂らしてコーヒーを淹れます。静かにポタポタ滴が流れていくさまは、さながら専門店のようです。ガラス製の器材をセットしておけば、あとは自動的に抽出をおこなってくれるので、どなたでも簡単にプロの味が楽しめます。熱を加えていないので、癖の少ないさっぱりライトな味が特徴的です。
使い方
1人分の目安は、約10g、水は100cc用います。イタリアンローストやフレンチローストなど、苦みのある深炒りの粉がよく合います。
・使用する水は冷蔵庫で、よく冷やしておきます。
・ウォータードリッパーのフィルターに、コーヒー粉を入れます。
・少量の水で粉を湿らせ、マドラーで上下をかき混ぜます。
・タンクに水を入れて、抽出を始めます。
・グラスに氷を入れ、抽出したコーヒーを注いでできあがりです。
※ウォータードリップを美味しく作るポイントは、部屋の温度。暑い場所を避けエアコンの効いた涼しい室内で作ると、水が生ぬるくならずキレのある味わいになります。
8. エスプレッソマシンの特徴・使い方
ボタンを押すだけで、イタリア気分を味わえるのがエスプレッソマシンです。
・お店のような、上質な味わい
・お洒落なデザインが多い
エスプレッソマシンにはコーヒー粉を入れるタイプ、専用のカプセルを入れるタイプ、大きく分けて2つの種類があります。どちらもボタンやレバーを押すと、自動で抽出をおこなってくれるので簡単にカフェの味が楽しめます。誰かに自慢したくなる、お洒落なデザインも魅力的です。
使い方
1人分の目安は、およそ10g。アロマの香りが高い、極細挽きの粉を用いていきます。
・コーヒーカップにお湯をはり、温めておきます。
・フィルターに粉を入れて、タンピングをおこないます。タンパーを持ち、ぎゅっと上から圧力を加えて粉を固めていきます。
・ボタンを押して、軽く湯通ししておきます。
・マシンの下にカップを置き、ボタンを押して抽出をおこないます。
・濃厚なクレマのある、エスプレッソの完成です。
9. 直火式エスプレッソの特徴・使い方
イタリアの家庭でよく見かけるのが、コンロにかける直火式エスプレッソです。
・電気式よりも安い
・気軽にエスプレッソが楽しめる
直火式エスプレッソの特徴は、コスパの良さ。高価な電気式に比べて値段が安く、初めての1台として気軽に購入できます。水とコーヒー粉を入れれば、あとは煮出していくだけなので、飲みたい時に飲める良さがあります。
使い方
1人分の目安はおよそ8g、水の量は約50ccです。極細挽きの粉を使っていきます。
・本体の下部分を外し、水を注いでおきます。
・スプーンを使い、バスケットに粉を入れます。
・本体にはめてコンロの上に置き、火をつけ沸騰させます。
・下部分の水がなくなり、カラカラと乾いた音がすればできあがりです。
※直火のため、本体はとても熱くなっています。ミトンを用意しておき、火傷に気を付けながらカップに入れてください。
10. イブリックの特徴・使い方
トルコなどの中近東エリアで、愛用されているのがイブリックです。
・パンチの効いた味わい
・コーヒー占いもできる
イブリックは銅や真鍮で作られた、小さなひしゃく型の鍋をつかって煮出して抽出します。現地トルコでは、小さな鍋(ジャズベ)を裏返し、底に付いた粉のシルエットを見て、コーヒー占いをおこないます。酸味の効いた、濃厚な味わいが特徴です。
使い方
1人分の目安は7g、水は70ccです。極細挽きの粉がよく合います。
・イブリックに粉と水を入れ、弱火にかけます。
・沸騰したら火からおろし、かき混ぜます。
・3回ほど繰り返し、とろみが出たら完成です。
・出来上がったコーヒーをカップに注ぎ、少しおいて、コーヒーの粉が沈んでから上澄みを飲みます。
11. パーコレーターの特徴・使い方
キャンプで大活躍する、直火ポットがパーコレーターです。
・飲みごたえのある味わい
・登山やキャンプにおすすめ
アウトドアで大活躍するパーコレーター。直火で煮だしていくので、コーヒー本来の強い味わいが楽しめます。
使い方
1人分の目安は12g、水は160ccです。粗挽き粉を使います。
・ポットに水を入れ、沸騰させます。
・コーヒー粉を入れたバスケットを、内側に入れます。
・弱火で4分ほど煮出したら、できあがりです。
まとめ
コーヒーの抽出道具それぞれの特性を知ると、さらにコーヒーの奥深い魅力に気づけるようになります。お気に入りの抽出器具を見つけて、スペシャルな一杯に出会ってみてください。
※これまで様々なコーヒー抽出器具をご紹介しましたが、器具を揃えたり淹れ方をマスターするのが手間だな、と思われた方は、どなたでもボタン一つで間違いなく美味しく淹れることができるUCCのドリップポッドをどうぞお試しください。