コロンビアコーヒーとは?産地の特徴や美味しい飲み方について解説!

コーヒー豆知識

コロンビアコーヒーとは?産地の特徴や美味しい飲み方について解説!

「コロンビアコーヒーという名前を聞いたことがあるものの、どういったコーヒーか分からない」
「コロンビアコーヒーとブラジルコーヒーの違いが分からない」

このような悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。

本記事ではコロンビアコーヒーとは何かについて解説します。コーヒー産地としてのコロンビアの特徴やコロンビアコーヒーの美味しい飲み方についてまとめました。

本記事を読むことで、コロンビアコーヒーについて理解でき、コーヒーの産地にまで興味を持てるようになります。コーヒーに詳しくなりたい方はぜひお読みください。

コロンビアコーヒーとは?

コロンビアコーヒーとは、コロンビアで栽培された豆が使われたコーヒーを意味します。コロンビアは南米の中でもブラジルの次にコーヒー生産量が多い国です。

コーヒーは産地によって味が大きく異なります。産地によって気候や栽培方法、加工方法などは異なり、それによってコーヒー豆に変化が生じるためです。

コロンビアコーヒーはバランスが取れているのが特徴です。ブラジルコーヒーに比べるとマイルドさがあります。フルーティーで自然な甘さが感じられつつも、重厚感のあるコクも感じられ、万人受けしやすい味と言えるでしょう。また、ブレンドのベースとしても使いやすいです。

   

コロンビアはどういった国か?

コロンビアは南米にある国の1つで、日本の約3倍の面積を持つのが特徴です。人口は約5,000万人で、主要言語はスペイン、首都はボゴタです。

コロンビアはコーヒー栽培に適した気候を持ちます。コーヒー栽培に適した気候を持つのは、赤道を挟んで南北緯25度間であり、ここは「コーヒーベルト」と呼ばれていますが、コロンビアもコーヒーベルトに該当します。

また、コロンビアは東部と西部にそれぞれ大きな特徴を持っています。東部は標高が低く、アマゾンの熱帯雨林が広がっています。西部はアンデス山脈が連っていて、標高が高いです。標高の低い東部と低い西部で、それぞれ異なる味のコーヒーを生産できています。

コロンビアの主要産業には、コーヒー以外にも生花があります。温暖な気候や日射量を活かして、バラやカーネーションなどを栽培し、世界各国へ輸出しています。

コロンビアコーヒーの歴史

コロンビアでコーヒー豆の栽培を始めたのは、18世紀後半です。諸説ありますが、キリストの修道院にコーヒーの木を植えたのがきっかけと言われています。その後、コーヒー生産に適した気候であることが分かり、今日まで栽培が続けられています。

1927年に「FNCコロンビアコーヒー生産者連合会」が設立されました。これは、コーヒー生産者が協力して立ち上げた組織で、コーヒー生産の支援や普及活動を行っています。

また、2011年にはコロンビアがコーヒー産地として「ユネスコ世界文化遺産」に登録されました。コロンビアは傾斜が厳しく、収穫用の機械の搬入・移動が難しいので、収穫は手作業で行われます。また、収穫時期は雨季であり、傾斜は濡れていて滑りやすくなっています。そのような過酷な環境で、100年以上もの間、農家の手によって美味しいコーヒーが作られてきたことが評価されています。

コロンビアコーヒーの等級

コーヒー専門店に行くと「コロンビア スプレモ」のように、パッケージに産地名だけでなく等級が書かれた製品を多く見かけます。

コロンビアコーヒーの豆は、豆の形やサイズ、産地、外部組織による各種の認証の有無などの観点から評価され、等級が厳格に設けられています。

等級の決め方にはいくつかありますが、ここではコロンビア国内統一の規格を紹介します。コーヒー豆のスクリーンサイズによって、次のように等級が決められています。

名称 スクリーンサイズ 許容範囲
エクセルソ プレミアム 18 スクリーン14-18 最大5%
エクセルソ スプレモ 17 スクリーン14-17 最大5%
エクセルソ エクストラ 16 スクリーン14-16 最大5%
エクセルソ ヨーロッパ 15 スクリーン12-15
最大2.5%/5%/10%の3カテゴリー
エクセルソ UGQ 全体の50%以上が15、残りは14 スクリーン12-14 最大5%
エクセルソ マラゴジッペ 17 スクリーン14-17 最大5%
エクセルソ カラコル(ピーベリー) 12 平豆最大10%

※参考:コロンビアコーヒーの等級 - FNC コロンビアコーヒー生産者連合会

カラコル(ピーベリー)はスクリーンサイズは小さいですが丸い形をした珍しい豆で、プレミアムやスプレモと同じく、貴重なコーヒーとして取引されます。それ以外のスクリーンサイズが13以下の豆に関しては、国内などで消費されます。

マラゴジッペは、ブラジルで発見されたティピカ種の突然変異種のことで、他とは別ランクが設けられています。

コロンビアコーヒーが美味しい理由

コロンビアコーヒーは人気が非常に高いのが特徴です。コロンビアコーヒーが美味しい理由として次の4つが挙げられます。

  • 気候がコーヒー栽培に適している
  • 火山灰を多く含む土壌
  • コーヒーの栽培に適した雨季・乾季
  • コーヒー生産の技術力の高さ

それぞれの理由について詳しく解説していきます。

気候がコーヒー栽培に適している

コロンビアは気候がコーヒー栽培に適しています。昼間と夜の気温差が大きく、それによってコーヒー豆にストレスを与え、糖分の生成が促されるためです。

コーヒー豆に糖分が生成されることで、コーヒーからほど良い甘みを感じられるようになります。

火山灰を多く含む土壌

コロンビアの標高が高いところは、火山灰を多く含んだ土壌になっています。火山灰を多く含んだ土壌は植物にとって良い環境です。

火山灰は柔らかいので植物が根を伸ばしやすいうえに、保湿力が高いため乾季でも植物にしっかり栄養を与えることができます。また、火山灰には硫黄が含まれています。硫黄はコーヒーの香りを良くしてくれるメリットがあります。

コーヒーの栽培に適した雨季・乾季

コロンビアの降雨量はコーヒーの栽培に適しています。コーヒーベルトの国の中でも赤道から遠いコロンビアは、雨季(雨がたくさん降る時期)と乾季(雨が降らない時期)がはっきりしています。

雨季にはコーヒーの実を成長させ、乾季には実を収穫して乾燥させます。実を成長させる期間に多くの雨が降らないと、収穫数が減ってしまいます。

また、コロンビアは地域によって雨季・乾季の時期が異なっています。そのため、1年中新鮮なコーヒー豆を他国に届けられるのも強みと言えるでしょう。

コーヒー生産の技術力の高さ

コロンビアの農家の人は、高いコーヒー生産の技術を持っています。100年以上もの間、生産技術が受け継がれてきて、それが美味しいコーヒーに繋がっています。

たとえば、コーヒー生産には日照量の管理技術が必要です。コーヒー豆は日差しがないと育ちませんが、日差しが強すぎても悪影響を及ぼしてしまいます。アンデス山脈の場合、日照量はだいたい年間1,600〜1,800時間程度が適切と言われています。

コロンビアでは、各地域の気候や土壌の特徴も考慮しつつ、遮光栽培を行っています。たとえば、シェードツリーという日傘の役割を果たす木を植えて、日光を遮るなどの方法があります。

コロンビアコーヒーの3つの産地

コロンビアは日本の約3倍の面積を保有しています。コロンビアは次の3つの地方に分けることが可能です。

  • 北部地方
  • 中部地方
  • 南部地方

コロンビアの特徴は3つの地方で、それぞれ異なる種類のコーヒーを生産している点です。地方によって気候や標高、日照時間が違うので、コーヒーの味に変化が出ます。

各地方で生産されるコーヒーの特徴について解説していきます。

北部地方

北部地方は標高が低く、気温が高いのが特徴です。日照時間も他地方よりも長くなっています。そのため、遮光栽培を行い、日照時間を調整する必要があります。高低差を利用して影を作ったり、シェードツリーを植えたりして調整しています。

北部の中でもマグダレナはコーヒーの歴史が深いです。古くから環境保護とコーヒー生産の両立を目指してきた町です。

標高が低く、気温が高い北部地方で作られるコーヒーは、優しい酸味があるのが特徴です。チョコレートのような香りと、ナッツのようなコクも感じられます。

中部地方

中部地方は雨季と乾季が散在して起こるのが特徴です。1年に2回もコーヒー豆を収穫できます。第1期の収穫時期は9月〜12月、第2期は4〜6月となっています。第1期の収穫時期は「メインクロップ」、第2期の時期は「ミタカクロップ」と呼ばれています。

中部地方のコーヒーは、味はフルーティーで香りのバランスが良いのが特徴です。

南部地方

南部地方は標高が高く、気温が低いのが特徴です。北部地方とちょうど真逆の環境になっており、コロンビアの中でも最大の産地となっています。

気温が低い環境ではコーヒー豆はゆっくりと育ちます。南部地方のコーヒーは、味はマイルド、香りは柑橘のような甘い感じがするのが特徴です。ブラックコーヒーとの相性が良く、砂糖を入れて飲まないことが多い日本人に好まれています。

コロンビアコーヒーの美味しい飲み方

最後に、コロンビアコーヒーの美味しい飲み方をご紹介します。コロンビアコーヒーのおすすめの楽しみ方は次の3つです。

  • まずは深炒りでじっくり楽しむ
  • ブレンドのベースとして使う
  • 食事やスイーツと合わせる

それぞれの楽しみ方について詳しく解説していきます。

まずは深炒りでじっくり楽しむ

まずは、コロンビアコーヒーをそのまま深炒りでじっくり楽しむのがおすすめです。深炒りとは、時間をかけてコーヒー豆を焙煎することです。深炒りにすることで、酸味が弱くなり、コーヒーらしいコクと苦みを強く感じられるようになります。

深炒りにすると苦み系の味にはなるものの、コロンビアコーヒーはバランスが取れていてクセが強くなく、深炒りでも比較的飲みやすいのでおすすめです。まずは深炒りで飲んでみて、酸味が足りないと思ったら中深煎りを試しましょう。

ブレンドのベースとして使う

コロンビアコーヒーはブレンドのベースとしても多く使われます。コクがありバランスが取れているコロンビアコーヒーは、他のコーヒーの個性を引き立て、味わい全体に厚みが生まれ、奥行きのある味わいに仕上がります。

特にブラジルはコロンビアコーヒーと相性がよいため、よく合わせられています。ブラジルと合わせることで、雑味が少なくさっぱりとした味わいになります。その他、酸味を強くしたいならエチオピア、苦みを強くしたいならマンデリンと合わせるのがおすすめです。

食事やスイーツと合わせる

コロンビアコーヒーは食事やスイーツと組み合わせることで、更に楽しみ方が広がります。コロンビアコーヒーはチーズやチョコレート、ナッツと相性が良いと言われています。

ただ、クセが強くないコーヒーなので、幅広い食事・スイーツと合わせることが可能です。色々な組み合わせを試してみて、優雅なコーヒータイムを味わうことを目指しましょう。

まとめ

本記事ではコロンビアコーヒーについて解説しました。コロンビアがコーヒー栽培に適している理由や、各地方で生産されるコーヒーの特徴、コーヒーの美味しい飲み方などがお分かりいただけたかと思います。

コロンビアコーヒーはバランスの取れた味わいで、自然な甘さが感じられつつも、コーヒーらしい深いコクも堪能できるのが特徴であり、人気が高いです。

ただし、コロンビアコーヒーは北部地方・中部地方・中部地方といった、生産地方によっても味が少しずつ異なります。また、プレミアムやスプレモなど、コーヒー豆は格付け評価されていますので、そのあたりも考慮して豆を選べると良いでしょう。

産地について詳しくなると、コーヒー作りがより楽しくなりますし、自分好みの味に近づけることが可能です。本記事をきっかけに、ぜひ産地にまでこだわってみてください。

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